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良食味で、飼いやすい「みやざき地鶏」


[要約]
「みやざき地鶏」の父系統である「地頭鶏」の短脚致死遺伝子を排除するとともに増体量を改良し、母鶏を新しく造成した「九州ロード」に換えることにより、「みやざき地鶏」の肉味と同時に育成率、体重等の生産性が向上する。

[キーワード]
肉用鶏、みやざき地鶏、地鶏

[担当]
宮崎畜試・川南支場・養鶏科

[連絡先]電話0985-27-0168	
[区分]九州沖縄農研・畜産草地(中小家畜)	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
高品質鶏肉としての地鶏が全国的にブームになった。これに併せて、県の特産品づくりおよび高齢者の生き甲斐対策等として、平成2年度に「みやざき地鶏」を開発した。「みやざき地鶏」の交配様式は(地頭鶏×優性白色プリマスロック)×劣性白色プリマスロックであったが、体重や羽装に「バラツキ」が多く見られ、また母鶏は産卵率が低く生産性に課題があった。そこで「地頭鶏」の致死遺伝子である短脚を排除し、増体重の斉一化を図る。母鶏については熊本県、大分県および宮崎県の3県共同で、産卵成績等が優れた有色羽装で大型雌系統を造成する。それを「みやざき地鶏」の母鶏として肉味を始め体重等生産性の向上を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 「地頭鶏」雄の120日齢平均体重は、平成元年では1.8kgであったが、平成13年には2.5kgに向上した(表1)。

  2. 「地頭鶏」の短脚鶏には致死遺伝子があるが、選抜淘汰により短脚鶏の出現は皆無になり、またふ化率も大幅に向上した(表1)。

  3. 熊本県、大分県および宮崎県の3県で造成した、熊本ロード×白色プリマスロック13系統の交配を7世代まで行い、産卵能力が一定し、羽色が農褐色に固定したことから「九州ロード」と命名し、これを「みやざき地鶏」の種鶏雌として活用する(表2)。

  4. 交配様式が(地頭鶏×白色プリマスロック)×九州ロードの「みやざき地鶏は、雄の体重が小さくなったが育成率は安定し、斉一性が向上して、羽装も95%が有色である(表3)。なお消費者の肉味に対する評価が高く、生産が拡大してヒナの譲渡羽数も平成13年度の6.6万羽から平成14年度は約13万羽が見込まれるまでになった(表4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 県が原種鶏および種鶏の改良増殖を行い、委託した民間ふ化場から「みやざき地鶏」の素ヒナを供給することによって普及促進を図る。

  2. 「みやざき地鶏普及促進協議会」を中心にブランド化に向け、飼育の統一を図る。

[具体的データ]

表1 地頭鶏の成績(450日齢)


表2 有色大型雌系統のの産卵成績


表3 みやざき地鶏の成績(21週齢)


表4 みやざき地鶏の譲渡羽数

[その他]
研究課題名:みやざき地鶏の生産性向上の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1997〜2001年度