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飼料イネ耕起乾田直播において中型機械作業が可能な土壌硬度


[要約]
耕起乾田直播において畜産用中型機械が支障なく作業可能な土壌硬度は、刈取時では1.0kg/cm2以上、ロールベーラ等による梱包時では2.0kg/cm2以上が必要である。

[キーワード]
土壌硬度、飼料イネ、収穫作業、中型機械、耕起乾田直播、乾物収量

[担当]
佐賀畜試・大家畜部・乳牛飼料研究室

[連絡先]電話0954-45-2030	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(生産利用)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
飼料イネ栽培では刈取作業が大きな課題であり、特に畜産農家の所有する中型機械で収穫作業をする際に、通常の食用米に準じた落水条件では土壌硬度が低く、収穫作業に支障をきたすことが心配される。そこで、飼料イネを最も省力的と言われる乾田直播で栽培した場合の落水期および土壌硬度の推移について調査し、中型機械作業が可能な土壌硬度を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 耕起乾田直播栽培において、畜産用中型機械が作業に支障なく走行可能な土壌硬度は、刈取時では1.0kg/cm2以上、ロールベーラおよびヘイベーラ等の牽引型梱包機械使用時では2.0kg/cm2以上が必要である(表1)。

  2. 土壌硬度1.0kg/cm2以上で刈取りを行えば、乾草調製中にイネの水分含量低下に合わせて土壌硬度も高まるため、収穫時には土壌硬度2.0kg/cm2を確保できる(図1)。

  3. 落水後3〜17日、最終降雨後2〜6日で中型機械での刈取作業に支障のない土壌硬度1.0kg/cm2を得ることができる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 耕起乾田直播栽培で中型機械作業を行う場合の参考資料となる。

  2. 土壌条件が異なる場合や、連日の降雨、または周囲の圃場が湛水状態である場合は、土壌硬度向上が図れない場合がある。

[具体的データ]

表1 刈取および梱包作業が可能な土壌硬度


図1 落水後の土壌硬度および降水量、イネ水分含量の推移


表2 土壌硬度(最低値)が1.0kg/cm2以上に達する日数

[その他]
研究課題名:飼料イネの省力栽培および乾草調製技術の開発
予算区分 :21世紀プロ3系
研究期間 :2001年〜2002年度