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スーダングラスのトラクタによる耐踏圧性


[要約]
スーダングラスにおいて、1番草刈取り後にトラクタによる踏圧を行ったところ、ヘイスーダンは茎数を高く維持し、乾物収量も高い。また、ヘイスーダンは実際のロールベール体系でも同様の傾向を示し、他品種に比べ耐踏圧性に優れている。

[キーワード]
スーダングラス、トラクタ、ヘイスーダン、耐踏圧性

[担当]
長崎畜試・草地飼料科

[連絡先]電話0957-68-1135	
[区分]畜産・草地	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
近年、スーダングラスのロールベール体系が普及してきているが、トラクタ等の重機械作業による踏圧で2番草以降の収量低下が指摘されている。そこで、長崎県の奨励品種を中心に、無踏圧区と踏圧区を設け、トラクタによる耐踏圧性を調査し、さらに、ロールベール体系による乾草調製を行い、機械化作業による耐踏圧性に優れた品種を選定する。

[成果の内容・特徴]
  1. 全ての品種において無踏圧区と比較すると踏圧区は、茎数および乾物収量は減少し、草丈は低い(表1)。

  2. 無踏圧区に対する踏圧区の乾物収量割合において、ヘイスーダンは7〜8割の収量を示し、他の品種のように3番草での急激な減収はみられない(図1)。

  3. 踏圧をかけても高い茎数を維持した品種ほど、高い乾物収量を示す(図2)。

  4. 乾草調製作業で踏圧を受けた2番草では、草丈および茎数において、ヘイスーダンのほうが高い値を示す。また、1番草に対する2番草の乾物収量割合において、ヘイスーダンの減少率がドライスーダンIIより小さい(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. スーダングラスの乾草あるいはサイレージ調製作業の情報として活用できる。

  2. 利用する重機械の大きさや踏圧の回数の違いにより、踏圧後の収量や再生茎数への影響も変化することに留意する。

[具体的データ]

表1 トラクタによる踏圧試験の草丈、茎数および乾物収量


図1 無踏圧区に対する踏圧区の乾物収量割合


図2 踏圧区における茎数と乾物収量の関係


表2 乾草調整による草丈、茎数および乾物収量

[その他]
研究課題名:飼料作物優良品種の選定普及
予算区分 :国庫助成
研究期間 :2001〜2002年度