8リットル4週離乳法・2倍濃度4週離乳法におけるほ乳期間中の発育特性と軟便の発生率
- [要約]
- 子牛のほ乳方法の違いによる離乳時体重への影響は認められない。子牛の誕生季節間およびほ乳方法間の軟便発生率に有意な差は認められず、高栄養飼養におけるほ乳期間中の軟便発生率は、95%信頼区間で33〜58%と推定される。
- [キーワード]
- 高栄養飼養ほ乳期間発育特性軟便発生率
- [担当]
- 熊本農研セ・畜産研・大家畜部
[連絡先]電話096-248-6433
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(乳牛)
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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乳用種早期離乳技術である「8リットル4週離乳法」や「2倍濃度4週離乳法」におけるほ乳期間中の発育特性や軟便発生率を示すことにより、技術の普及を図る。
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[成果の内容・特徴]
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誕生季節別では秋生まれの子牛の生時体重が最も小さい(P&st;0.05)(図1)。ほ乳方法が離乳時体重におよぼす影響は認められず、離乳時体重は秋生まれの牛群が最も大きくなる(P<0.05)(図2)。
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軟便発生率は誕生季節間(P=0.72)(表1)およびほ乳方法間(P=0.27)(表2)で有意な差は認められず、8リットル4週離乳法・2倍濃度4週離乳法におけるほ乳期間中の軟便発生率は、95%信頼区間で33〜58%と推定される。
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[成果の活用面・留意点]
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8リットル4週離乳法・2倍濃度4週離乳法における軟便の発生率の指標として活用できる。
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ほ育牛は各牛房間に仕切のある単独ほ乳房にて飼養し、入房前には薬液による消毒および石灰の塗布を実施している。
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子牛の誕生季節を3〜5月生まれを春、6〜8月生まれを夏、9〜11月生まれを秋、12〜2月生まれを冬として分類している。また、各分析には分析に必要な情報の有無を考慮し、ホルスタイン種および交雑種延べ62頭をそれぞれ割り当て、最小二乗法により分析している。また、軟便発生の有無は正常便を0,それ以外を1として(0,1)法により数量化している。
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軟便発生牛には、症状に応じて経口補液や薬剤投与等の処置を行ったが、廃用や死亡した症例はみられなかった。
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[具体的データ]
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図1 生時体重におよぼす季節の影響

図2 離乳時体重におよぼす季節の影響

表1 誕生季節別の軟便発生状況

表2 ほ乳方法ごとの軟便発生状況
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[その他]
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研究課題名:低コスト育成技術の検討
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2003年度