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肥育豚飼料としての蒸気乾燥トウフ粕の適正な配合割合


[要約]
蒸気乾燥トウフ粕は肥育豚に対して10%まで配合して給与しても飼料摂取量、増体及び肉質に影響はなく、飼料費は低減できる。

[キーワード]
乾燥トウフ粕、肥育豚

[担当]
福岡県農総試・畜研・中小家畜部・養豚研究室

[連絡先]電話092-925-5177	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(中小家畜)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
トウフ粕は一部畜産部門で利用されているが、水分が高く、肉豚に多給すると枝肉が軟脂になる等の問題があり、消費量が減少し、大半が産業廃棄物として処理されている。しかし、近年、高水分の食品残さ等に対する、蒸気を利用した効率的な乾燥技術が確立され、保存性の高い乾燥トウフ粕が比較的安価に供給されるようになった。そこで、この蒸気乾燥トウフ粕を飼料として肥育豚に給与した場合の発育、肉質への影響を明らかにし、適正な配合割合を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 肥育豚に蒸気乾燥トウフ粕を10%配合して給与すると1日当たりの飼料摂取量、1日当たりの増体量ともに影響はなく、1頭当たりの飼料費も安くなるが、20%配合した場合は、嗜好性が劣り、飼料摂取量が低下する。(表2

  2. 蒸気乾燥トウフ粕の配合割合を変えて給与しても脂肪色に影響はないが、トウフ粕の配合が多くなると、脂肪融点は低くなる。また、背脂肪厚は薄くなる傾向がある。(表3

  3. 蒸気乾燥トウフ粕の配合割合を変えて給与してもロース芯面積、肉の色、含水率及び保水力に影響はない。(表4

[成果の活用面・留意点]
  1. 肥育豚に対して蒸気乾燥トウフ粕を給与する場合の参考資料として活用できる。

  2. 乾燥トウフ粕を多給すると、軟脂や薄脂による枝肉の格落ちが危惧されることから、特に、飼料摂取量が減少する夏場は、配合割合に注意する。

[具体的データ]

表1 各区の飼料配合割合


表2 蒸気乾燥トウフ粕の配合割合と発育成績及び飼料費


表3 蒸気乾燥トウフ粕の配合割合と背脂肪厚及び脂肪の色及び融点(平成13年)


表4 蒸気乾燥トウフ粕の配合割合とロース芯面積及びロース肉の肉質(平成13年)

[その他]
研究課題名:蒸気乾燥トウフ粕配合飼料の給与技術
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2002年度