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加温ハウス栽培マンゴ-4月出荷作型における花芽分化期の温度管理法


[要約]
加温ハウス栽培マンゴーにおける、11月上旬〜12月上旬の温度管理は、最低温度摂氏10度、最高温度摂氏20度とすることにより花芽分化が促進され、開花期が12月中旬〜1月中旬、収穫期が4月中旬〜5月中旬となる。

[キーワード]
マンゴー、花芽分化、温度管理、収穫期

[担当]
鹿児島果樹試・栽培研究室

[連絡先]電話0994-32-0179	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
国産のマンゴーは高品質で高級感のある特産果実として評価が高く、産地への導入、面積拡大への気運が高まっている。今後、経営の規模拡大や収益性の向上を図るためには出荷期を前進化させる技術の確立が重要であることから、花芽分化促進のため、秋季の温度条件を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 加温ハウス栽培マンゴー「アーウイン」では、11月上旬〜12月上旬の最低温度設定を摂氏10度とすることで花芽分化が促進され,着花枝率が50%を越える時期は摂氏15度区より約30日早い(図2図3)。

  2. 最高温度は摂氏20度が着花率が高く、摂氏25度では着花率がやや低下、摂氏30度では着花が抑制される(表1)。

  3. 11月上旬〜12月上旬の温度管理を最低温度摂氏10度、最高温度摂氏20度とすることにより、発蕾期が11月中旬〜12月上旬、開花期が12月中旬〜1月中旬となり、4月中旬〜5月中旬に収穫できる(図1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. マンゴーは摂氏5度以下の低温では寒害が発生する恐れがあるので、摂氏5度以下にならないよう注意する。

  2. ハウスのビニル被覆は11月に一重で全面被覆し、二重ビニル被覆は、昼間の高温を防止するため発蕾を確認した後に行う。

[具体的データ]

図1 花芽分化期の温度管理


図2 加温ハウスにおける温度の推移(2000年)


図3 最低温度が花芽分化に及ぼす影響


表1 最高温度が着花に及ぼす影響


図4 人工気象室の温度管理

[その他]
予算課題名:南九州及び南西諸島における特産果樹の新作型並びに高付加価値果実生産技術の開発
予算区分 :助成試験(新技術)
研究期間 :2000〜2004年度