収穫後のジベレリン散布による「大津四号」着花抑制
- [要約]
- 翌年に着花過多が予想される「大津四号」へ、収穫後の12月下旬に、ジベレリン水溶剤50ppm液及びジベレリン水溶剤25ppmと尿素0.5%、またはマシン油乳剤60倍を混用散布すると着花が抑制される。
- [キーワード]
- 着花過多、大津四号、ジベレリン水溶剤、着花抑制
- [担当]
- 長崎果樹試・常緑果樹科
[連絡先]電話0957-55-8740
[区分]九州沖縄農業・果樹
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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高糖度系温州ミカンの隔年結果是正を図るためには、バランスがとれた着花量と新しょう量の確保が不可欠である。そのための方法として、着花過多が予想される樹に対し着花を抑制するため、収穫後のジベレリン散布が考えられる。そこで、ジベレリン水溶剤(3.1%)散布の実用性を検討する。また、ジベレリン水溶剤の効率的、効果的使用方法を検討するため、ジベレリン25ppmと尿素およびマシン油乳剤を混用散布した場合の着花抑制に対する実用性を検討する。
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[成果の内容・特徴]
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ジベレリン散布により有葉花数および新しょう数は変わらないが、直花数が著しく減少し全着花数が減少する(表1)。
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ジベレリンの濃度が高いほど直花数が減少し、尿素およびマシン油乳剤の混用により効果が更に高まる傾向にある。(表1)。
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ジベレリン散布で新しょう長および節間長が長くなる傾向にあるが、有意な差ではない(表2)。
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結果母枝当たりの着果数は、ジベレリン散布により直花果数は変わらないが有葉果および全着果数は少なく、着果抑制効果が認められる(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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ジベレリン水溶剤25〜50ppmの散布により着花は抑制されるものの、散布後の整枝、せん定、摘果、肥培管理など基本管理を徹底して行わないと安定生産にはつながらない。
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薬剤散布は、葉から薬液が滴る程度に行う。
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[具体的データ]
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表1 ジベレリン処理後の着花数、新しょう数(2001年)

表2 ジベレリン処理後の新しょう長、節間長、着果数、着果率(2001年)
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[その他]
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研究課題名:果樹園における植物調節剤の利用法予算区分:県単(昭和52年〜)
研究期間 :平成13年度