アスパラガスのL級以上の収量を増やす整枝法
- [要約]
- アスパラガスの栽培で、140cmで摘心して一次側枝数を23本程度確保し、9月以降は側枝を除去しない整枝法により、夏芽及び翌年の春芽収量が増加するとともに、高単価階級であるL級以上の収量が増大する。
- [キーワード]
- アスパラガス、整枝、収量
- [担当]
- 長崎総農林試・野菜花き部・野菜科
[連絡先]電話0957-26-3330
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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アスパラガスはハウスの大型化が進む中、従来のM級立茎技術(9本/m2(14.5本/m)、摘心120cm、下枝除去50cm以下)では立茎した株から萌芽する夏芽はM階級の割合が多く、グリーンの着色も薄い。高単価のL級の収量増大と光環境改善のためには、L級立茎を中心とし立茎本数を7.5本/m2(11本/m程度)に制限するとともに下枝除去や摘心法の改善を進める必要がある。そのため、L級を立茎する場合の整枝技術を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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光環境改善のため、下枝を除去する場合、120cmの主枝摘心では70cmまで、140cm摘心では90cmまで一次側枝を除去すると収量が低下する(表1)。
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夏芽収量に有効な一次側枝数としては23本程度を確保する必要がある(表1、図3)。
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翌年の春芽収量は、50cm以上の一次側枝を除去しない方が収量が多くなるため、9月以降の株養成時は側枝数を制限しない(図1、図4)。
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摘心位置については、120cmより140cmで摘心する方が、高単価階級であるL級以上の階級割合が高く、一次側枝数を確保できるため翌年の春芽の収量が増加する(図2)。
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[成果の活用面・留意点]
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間口3m以下の小型ハウスでは従来のM級立茎技術(現長崎県基準技術)を活用する。
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摘心は親茎の完全展葉後に行う。
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[具体的データ]
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図1 整枝法と春芽収量
図2 整枝法とL級以上収量

図3 1次側枝数と夏芽収量
図4 1次側枝数と春芽収量
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[その他]
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研究課題名:アスパラガスの高品質生産技術
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2005年度