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夏播きゴボウ栽培における被覆資材の選定


[要約]
夏播きゴボウ栽培において白黒ダブルマルチ、白黒サマーマルチ、ペパロン、エコマルチなどを被覆資材に用いると地温上昇抑制効果が高く、土壌乾燥や雑草繁茂を抑え、出芽や苗立ちが安定する被覆資材として有望である。

[キーワード]
ゴボウ、被覆資材

[担当]
宮崎総農試・畑作園芸支場

[連絡先]電話0986-22-1743	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
県内ゴボウの生産は春播き栽培が主体で、年末から年明けの品質低下が問題となっている。そこで12月から2月にかけて、新鮮で高品質なゴボウを収穫できる夏播き栽培の作型を確立するために、高温、干ばつ、豪雨などの厳しい気象条件下で、発芽・苗立ちが安定する被覆資材を選定する。

[成果の内容・特徴]
  1. 晴天時の日中の地表下5cmの地温はペパロンが際立って低く推移し、次いでエコマルチ、黒寒冷紗、白黒ダブルマルチで低く、いずれの被覆資材も無マルチに比べると地温上昇抑制効果がある(図1)。

  2. 生育初期の土壌水分は、被覆資材を使うと常に無マルチより低く推移するが、中でもエコマルチの場合は無マルチと近似の土壌水分で推移する(図2)。

  3. 白黒ダブルマルチ、白黒サマーマルチ、ペパロン、エコマルチを使うことによって、出芽期は無マルチより一週間程度早くなり、雑草の発生を抑制する効果も大きい。苗立ち率は被覆資材を使うことによって無マルチより10%以上高くなる。(表1)。

  4. ペパロン、白黒ダブル、エコマルチは出芽や生育等が順調で、収量増に効果がある(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 8月上旬播種の作型に適用できる。

  2. 播種後20日間は無マルチでpF2.1を越えた時を目安に、1回当たり10mmの潅水を行い芽出しを安定させる必要がある。

[具体的データ]

図1 晴天時の地温(-5cm)の推移


図2 生育期間中の土壌水分(pF値)の推移


表1 ゴボウの出芽・苗立ちと雑草の発生状況


表2 ゴボウの生育及び収量

[その他]
研究課題名:大規模葉菜類(キャベツ・レタス)の省力機械化一貫体系の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2000年〜2001年度