ニガウリ新品種「試交4号(仮称)」
- [要約]
- ニガウリ新品種「試交4号」は、露地栽培の作型で収量が5.3t/10aと中長に比べて高い。雌花数が適度で、果皮色は濃緑色である。
- [キーワード]
- 新品種、雌花数、露地栽培
- [担当]
- 沖縄農試園芸支場・野菜育種研究室
[連絡先]電話098-973-5530
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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「群星」「汐風」は、雌花数が多く、着果を調整しながら栽培する施設栽培品種である。しかし、露地栽培では自然交雑のため着果過多となり、草勢の低下が早く収量が低い。そこで、雌花数が適度、果実が濃緑色で高収量な露地用品種の育成を行う。
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[成果の内容・特徴]
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育成経過:1986年に野菜・茶業研究所から分譲(中華人民共和国から導入)した種子の固定と選抜を行い、果皮色が濃緑色で果肉の厚いOHB61-2の系統を育成した。1992年に沖縄県具志頭村から収集した種子の固定化と選抜を行い、雌花数が少なく、果実の長さが短いOHB4-2の系統を育成した。1999年にOHB4-2を種子親、OHB61-2を花粉親に用いて交雑採種し、2000年〜2001年に組み合わせ検定と生産力検定を行い、露地栽培に優れていることが認められ「試交4号(仮称)」と命名した(図1)。
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果実の形態は中長に比べて、果実重は270g程度と重く、果実長は26cm程度、果実径は5.7cm程度と太い。果形は紡錘形で、果皮色は濃緑色である(表1)。
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果実の肩部の形は中間、尻部の形は丸い。こぶ状突起の形は中間、大きさは小さく、数は多い。条状突起の長さは中間である(表1)。
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収穫果数は中長に比べて多く、収量は平成12年度で2.3倍、平成13年度で1.2倍と高い(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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本品種は、露地栽培(3月〜10月)用品種で、初期成育を旺盛にするために早期の着果開始は避ける。
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高温時は株の萎れに注意し、灌水は適宜行う。
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[具体的データ]
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図1 試交4号の育成体系図

表1 果実の形態および特性

表2 収量の時期別変化(kg/a)
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[その他]
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研究課題名:特産野菜の品種育成に関する試験
予算区分 :県単
研究期間 :1992〜2003年度