ヒマワリの4月出し無加温栽培における低温遭遇による奇形花の発生
- [要約]
- ヒマワリの4月出し無加温栽培で、生長点膨大期以降に氷点下の低温に1日以上遭遇すると奇形花が発生する。窒素施用量、土壌水分が奇形花の発生に及ぼす影響はない。
- [キーワード]
- ヒマワリ、4月出し無加温栽培、氷点下の低温、奇形花
- [担当]
- 福岡農総試・園芸研究所・野菜花き部・花き花木研究室
[連絡先]電話092-922-4364
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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ヒマワリは、従来は6〜9月採花の露地栽培が中心であったが、短日開花性品種などが多数育成され、パイプハウス等を利用して、周年栽培が行われるようになってきた。しかし、低温期に播種を行う4月出し無加温栽培では、先端部に複数の花が着いたり、頂花と側花が癒着した奇形花の発生が問題となっている。そこで、4月出し無加温栽培での奇形花発生に及ぼす生育中の低温遭遇、窒素施用量、土壌水分等の影響について検討し、発生要因を解明し、防止対策に資する。
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[成果の内容・特徴]
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4月出し無加温栽培での奇形花の発生は、本葉展開枚数2〜4枚時の生長点膨大期以降に、氷点下の低温(摂氏-3度)に1日(6時間)以上遭遇すると起こる(表1)。
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生長点膨大期に氷点下の低温に遭遇する度合いが高いと、窒素施用量および土壌水分の違いに関係なく、奇形花の発生率が非常に高くなる(表2)。
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花芽が未分化のときに氷点下の低温に遭遇しても、奇形花は発生しない(データ略)。
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[成果の活用面・留意点]
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4月出し無加温ハウス栽培において、花芽分化開始である生長点膨大期以降に気温が氷点下に下がる恐れがある場合、内張りカーテンを行い、摂氏5度以上に保つ。
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[具体的データ]
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表1 奇形花発生と開花時の形質に及ぼす低温遭遇時期・日数の影響(平成13年)

表2 奇形花発生と開花時の形質に及ぼす播種時期、窒素施用量および土壌水分の影響(平成12年)
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[その他]
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研究課題名:ヒマワリの生育開花特性と奇形花防止技術
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2001年度
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