秋ギク「神馬」の1〜2月出し栽培における点滴かん水施肥法
- [要約]
- 秋ギク「神馬」の点滴かん水施肥栽培では、1日・1株当たりの適正窒素施用量は定植4日後〜消灯10日前が5.3mg、消灯10日前〜発蕾が2.6mg、発蕾〜開花が5.5mgである。この施肥管理は、慣行に比べて切り花長、切り花重、上位葉のボリュームおよび草姿バランスが優れ、窒素施用量を2/3に削減できる。
- [キーワード]
- 秋ギク、点滴かん水施肥栽培、切り花長、切り花重、草姿、窒素施用量
- [担当]
- 福岡県農総試・野菜花き部・施設機械研究室
[連絡先]電話092-922-4111
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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施設秋ギク栽培では、窒素施用量の削減と栽培管理の省力化から点滴かん水施肥システムが導入されているが、施肥管理については、個別農家が資材メーカー等の情報をもとに独自に行っているため、良品生産に不明な点が多く、施肥技術の確立が求められている。そこで、秋ギク主要品種「神馬」の1〜2月出し栽培において生育ステージ毎の施肥管理により、窒素施用量を削減でき、品質向上が図れる施肥法を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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秋ギク「神馬」では、液肥を1日1回施用する施肥管理により、窒素施用量を2/3に削減しても慣行と同等の切り花長、切り花重が得られる(表1)。
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定植5日後〜消灯に窒素を多く施用すると、切り花長、切り花重が優れ、発蕾後〜開花にかけて窒素を多く施用すると、上位葉の葉面積が増大し、切り花品質が優れる(表2)。
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1日・1株当たりの適正窒素施用量は定植4日後〜消灯10日前が5.3mg、消灯10日前〜発蕾が2.6mg、発蕾〜開花が5.5mgである。この施肥管理は、慣行に比べて切り花長、切り花重、上位葉のボリュームおよび草姿バランスが優れる(表3、一部データ略)。
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[成果の活用面・留意点]
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この技術は肥沃度中程度の土壌で利用すると共に、品種、作型によって吸肥反応等が異なることを考慮して施肥法を決定する。
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[具体的データ]
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表1 点滴かん水施肥栽培における施肥量と開花日、切り花品質

表2 生育ステージ毎に窒素施用量を変化させた場合の開花日、切り花品質

表3 生育ステージ毎の窒素施用量の変化と開花日、切り花品質
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[その他]
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研究課題名:花き類の点滴かん水施肥栽培装置の改良
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2001年度
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