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トルコギキョウの新品種「ゆふの小波(さざなみ)」、「ゆふのそよ風」、「ゆふの愛(めぐみ)」、「ぶんごの愛(めぐみ)」、「ぶんごの紅(くれない)」


[要約]
アメリカ合衆国から導入したトルコギキョウの野生種をもとに、極小輪系統2品種、小輪系統3品種を育成した。

[キーワード]
トルコギキョウ、新品種、野生種、選抜

[担当]
大分温熱花研・研究指導部

[連絡先]電話0977-66-4706	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
産地基盤の充実を図るため、独自性を強く印象づける新品種の育成が求められている。そこでアメリカ合衆国から導入したトルコギキョウの野生種をもとに、小輪、多花などの特徴を持つ大分県オリジナルのトルコギキョウを育成する。

[成果の内容・特徴]
1994年にアメリカ合衆国から持ち帰ったトルコギキョウの野生種は、現在の国内品種の育種親としてあまり使われていないEustoma exaltatum種で、小輪で着花数が多いなどの特徴がある。1995年から野生種の特性を生かしたオリジナル品種の育成に着手し、交配と選抜をくり返しながら小輪で花数が多く花の形が独特な5系統を選抜し、育種を完了した。

  1. 7月に開花する季咲き作型で試験を行った結果、新品種は対照品種に比べ切花重が重く、茎も剛直で、分枝数が多い。また、花蕾数も多くボリュームがある。

  2. 各品種の特性は次のとおり。

    ゆふの小波:紫覆輪で中晩生、極小輪で花蕾数が多くボリュームがある。低温、低日照期には覆輪が発現しにくい。

    ゆふのそよ風:薄紫色で中晩生、極小輪で花蕾数が多い。花弁先端が丸弁の品種で草丈が伸びやすい。高温期の定植作型では高温ロゼットになりやすい。

    ゆふの愛:桃色で中生、小輪で花蕾数が多い。花弁にフリルが入る。茎はやや細いが、草丈は伸びやすい。

    ぶんごの愛:桃色で中晩生、小輪の品種。花弁先端がとがり、キキョウのような花形になる。

    ぶんごの紅:紅色で中晩生、小輪の品種。花弁先端がとがり、キキョウのような花形になる。

[成果の活用面・留意点]
  1. 5品種とも中生〜中晩生であるために季咲きに近い作型が適するが、8月定植の2度切り作型も適用できる。

  2. ゆふシリーズは低日照時にブラスチングが発生しやすく、ぶんごシリーズは高温期に葉先枯れが発生しやすいので注意する。

[具体的データ]

表1 新品種の主な特徴


表2 採花時の諸形質


表3 小輪系統の花の形質的特性

[その他]
研究課題名:トルコギキョウの育種
予算区分 :県単
研究期間 :長期


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