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隔離土耕促成ナスの7〜8月定植の生育・収量


[要約]
隔離土耕栽培における促成ナスは、7〜8月の早期定植ができる。7月下旬に定植すれば、4本の主枝は揃いが良く摘心時期が早くなり、茎径が太くなる。節間長、主枝長等の地上部生育に大差はない。早く定植するほど年内の収量が多くなり、1月以降は大差ない。

[キーワード]
隔離土耕、ナス、7〜8月定植、収量パターン、生育

[担当]
佐賀農業セ・栽培技術部・野菜研究室

[連絡先]電話0952-45-2141	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
隔離土耕栽培における促成ナスは、栽培管理の省力化、軽労化や、作業環境の快適化等は勿論であるが、その特徴を活かした新たな作型が開発できると考えられる。そこで、早期定植による有利性と、その場合の収量・生育の特徴について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 促成ナスは、隔離土耕栽培では7月及び8月の早期に定植でき、収量は7月定植が8月定植より、8月定植が9月定植よりそれぞれ1割程度増収する。その収量パターンは、定植の前進化により収穫開始時期が早まり、年内の収量は増加するが、1月以降は大差がない(表1図1)。

  2. 生育は定植の前進化で主枝が揃って伸長し、年内に摘心となる。摘心までの所要日数は7月下旬定植では50日程度、8月下旬定植では70日程度である(表2)。

  3. 茎径は、早期定植により1〜2mm程度大きくなるが、節間長及び主枝長は7月下旬及び8月下旬定植で大差なく徒長はしない(図2図3)。

  4. 7月及び8月定植では、商品果率に差はないが、7月定植では8月定植より上物率が12月以降低くなる(図4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 7月中旬〜9月中旬までは遮光率28%の白寒冷紗で被覆した結果である。

  2. 高温時は多目的細霧装置を利用し、設定温度摂氏30度、細霧時間20〜60秒、細霧間隔6〜12分で稼働する。

  3. 早期定植は隔離土耕栽培で活用できる。

[具体的データ]

表1 定植日の違いと収量(1999年)


図1 定植日の違いと月別収量の推移(2001年)


図2 定植日の違いと茎径の推移(1999年)


表2 定植日の違いと摘心時期(2001年)


図3 定植日の違いの節間長の推移(2001年)


図4 定植日の違いと上物率の推移(2001年)

[その他]
研究課題名:促成ナスの作型前進化に対応した生育・着果制御技術の開発
ナスの隔離土耕栽培における新しい作型・整枝法の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1996〜1999、2000〜2002年度


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