メロンの隔離床栽培における二次ネット発生期以降の適正潅水法
- [要約]
- 長崎型イチゴ高設栽培システムを利用したメロンの隔離床栽培において二次ネット発生期以降の潅水量は、ネット完成後の早い時期から制限する必要はない。開花後45〜50日から潅水量を晴天時で株あたり1L程度に抑えることにより果実糖度16度程度となる。
- [キーワード]
- 隔離床、メロン、二次ネット発生期以降、潅水量
- [担当]
- 長崎県総農林試・野菜花き部・野菜科
[連絡先]電話0957-26-3330
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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長崎県における既存のイチゴ高設栽培システムを用いたメロンの隔離床栽培は、土づくりが不要で、肥培管理、水分コントロールなどの栽培管理等を適切に行うことにより、高品質・安定生産が可能である。これまでに、果実肥大期における最適潅水量について明らかにした。しかし、果実の食味を大きく左右する糖度は、二次ネット発生期以降の水管理が大きく影響をするため、培地の乾きやすい本システムにおける最適潅水法を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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開花30日後から潅水制限処理までは一日当たり晴天時2L/株の潅水管理を行い、開花後45日〜50日(収穫14〜19日前)から1L/株程度を目安に収穫前の潅水量を制限することにより、果実中央部に大きな違いは認められなかったが、果実内壁部の糖度は16度程度の果実となる(表1)。
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潅水制限を行う時期の違いにより株の生育や果実の外観の差はない(表1、表2)。
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水分制御の目安として、栽培システム内の土壌水分は、晴天時2L/株程度で50%前後、収穫直前に1L/株とすると45%前後まで低下する(図1)。
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[成果の活用面・留意点]
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本システムは、夏期、太陽熱のみで土壌消毒が可能であり、土壌病害虫防除の困難な圃場での活用に適する。
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二次ネットの完成後の水管理は極端な制御を行うと、土壌が乾燥して株が萎れ、根傷みを引き起こす。
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本システムの培地は、薩摩土65%、ヤシピート25%、バーク堆肥10%のものを利用する。
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品種は「ベネチア初春」を用いる。
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[具体的データ]
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表1 収穫時における果実の品質

表2 収穫時におけるネットの発生状況

図1 収穫期前後の土壌水分
耕種概要
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[その他]
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研究課題名:隔離床栽培における高品質生産及び環境保全型栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2005年度
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