アスパラガスの保温開始前の液肥施用による春芽の萌芽促進
- [要約]
- アスパラガスの保温開始前に液肥を施用すると、初期の春芽の萌芽が促進され2月の収量が増加する。
- [キーワード]
- アスパラガス、液肥、春芽、萌芽促進
- [担当]
- 長崎総農林試・野菜花き部・野菜科
[連絡先]電話0957-26-3330
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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アスパラガスは面積拡大が進む中、3月中下旬に春芽の出荷が集中し価格低下を招いており、出荷の分散化及び平準化を進める必要がある。また、出荷を前進化するための1月下旬の保温開始では、2月の一斉萌芽を促進することが課題となっている。このため、保温開始前の液肥潅注が、春芽の初期萌芽収量および品質に及ぼす影響を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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保温開始前の1月中旬に液肥の土壌潅注又は畦全面施用を行うと、初期の萌芽が促進され2月の春芽収量が増加するとともに、春芽の収穫が早まる(表1、図1、図2)。潅注量は100株当たり40リットル程度とする。
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黒ボク土及び安山岩質黄色土では初期の萌芽数が多くなり、潅注の効果は3〜4週間持続する(図1、図2)。収穫開始から3〜4週間後に必要に応じ追肥を行う。
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春芽先端部の糖度(Brix)は、液肥の土壌潅注及び畦全面施用のいずれも潅水のみより上昇する(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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保温開始から萌芽初期までは保温を徹底し、地温を確保する。
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堆肥層が厚い場合は土壌灌注が望ましい。
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[具体的データ]
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表1 液肥観注と春芽収量

図1 黒ボク土の時期別萌芽数

図2 安山岩質黄色土の時期別萌芽数

表2 液肥潅注と時期別の春芽糖度
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[その他]
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研究課題名:アスパラガスの高品質生産技術
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2005年度
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