オクラのトンネル栽培におけるセル苗利用と品種選定
- [要約]
- オクラのセル苗の育苗には25穴トレイで、培地に完熟堆肥を用いると定植後の生育抑制が少なく収量も多い。品種は商品率が高く多収の「大和グリーン」が適する。
- [キーワード]
- オクラ、25穴トレイ、完熟堆肥、大和グリーン
- [担当]
- 沖縄農試八重山支場・園芸研究室
[連絡先]電話0980-82-4067
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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オクラは軽量で単位面積当たりの収益性が高く、フライト出荷品目として有望で、国内産の品薄期である3〜5月は高単価で推移し、本県産が有利に販売されている。しかし、栽培時期が低温、寡日照のため発芽不良、苗立枯病による欠株、生育の不揃い等で収量は低い。そこで、セル苗を利用したトンネル栽培により欠株の解消、生育揃を図る。
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[成果の内容・特徴]
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オクラを25穴トレイで育苗すると、圃場移植後の立枯れが少なく、順調に生育するため、初期収量及び総収量が最も多い。(表1、図1)
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培地に完熟堆肥を使用すると発芽率は市販の培地より劣るが、圃場移植後の立枯れが少なく、順調に生育し、初期収量及び総収量も多い。(表1、図1)
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品種では「大和グリーン」は初期生育は劣るが、節数型で多収性を示し、商品果率も高い。また、果実肥大も緩やかなため適期収穫幅が長い。(表2、図2)
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[成果の活用面・留意点]
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セル苗による移植栽培は、直播きに比べ収穫始めが遅れ、初期収穫も低い。また、直播きに比べ労力、経費とも掛かるため参考技術として利用する。
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1月定植で初期収穫を早め、収穫期間を延ばすことで増収が図れる。
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セル苗利用により圃場の準備遅れの対処、圃場の利用効率の向上が図れる。
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発芽を揃えるため、前日に温湯(摂氏35度程度)で催芽処理後、は種する。
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育苗は摂氏20度前後で行い、徒長苗にならないように潅水に留意する。
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根鉢が形成され根崩れが起きない早い時期に定植する(本葉2枚時)。
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[具体的データ]
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表1 生育状況

図1 時期別収穫個数(個/a)

表2 生育及び収量状況

図2 期別収穫個数(個/a)
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[その他]
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研究課題名:オクラのセル苗移植によるトンネル栽培の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2001年度
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