Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成14年度目次

低コスト生産可能な新規バンダ類の種類、品種


[要約]
沖縄県の気象条件に適応し、パイプハウスや冬期無加温栽培などの低コスト生産が可能なバンダ類の5品種を選定した。

[キーワード]
パイプハウス、低コスト生産、バンダ類

[担当]
沖縄県農試・園芸支場・花き研究室

[連絡先]電話098-973-5530	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
沖縄県の気象条件に適応し、パイプハウスや無加温などの低コスト生産が可能なバンダ類の種類、品種をタイ、マレーシアから収集し、切り花生産に適する品種を選定した。

[成果の内容・特徴]
バンダ類の48品種を供試し、3年間の採花本数(図1)、切り花品質(表1表2)と草丈(図2)や葉数などの伸長性から沖縄県で低コスト生産可能な5品種を選定した。選定品種の特性は以下のとおりである。

  1. Mok.サヤン×Ascda.メラアーノルド

    生長は緩慢で節間は短い、採花本数は年間3〜4本で30cm程度、分枝は無く、花数14輪程度。花色は濃赤色で中輪・セミ弁で周年開花する。

  2. Mok.ジラブス

    生長は早く、茎は太い。採花本数は4〜5本で切り花長は40cm程度。花数は14輪程度で大輪・丸弁。花色は淡黄色で淡褐色の斑点がある。開花は春夏期に多い。

  3. Aranda.ノーラアルサゴフピンク

    生長は早く、茎は太い。採花本数は6本程度で切り花長は35cm程度。花数は12輪程度で大輪・丸弁。花色は濃桃色で周年開花する。

  4. Aranda.ノーラアルサゴフブルー

    生長が最も早く、年間最大で1m以上伸びる。採花本数は6本程度で、切り花長は45cm程度。花数は14輪程度で大輪・丸弁。花色は濃青色で周年開花する。

  5. Okara.ザレハブルネイ

    生長は早く、採花本数は5本程度で切り花長は50cm程度。分枝が最も多く、花数は40輪程度で小輪・剣弁。花色は鮮赤色で周年開花する。

[成果の活用面・留意点]
  1. 苗は、活着・早期開花の面から30cm程度の大苗を導入する。

  2. 遮光は6月下旬から10月までは50%程度とし、それ以外の期間は光を十分当てる。

  3. スリップス類の発生が多いので、開花期は予防散布に心がける。

[具体的データ]

表1 選抜系統の来歴、導入時の特性


表2 選抜系統の特性(2001年度)


図1 選抜系統の年度別採花本数(本/株)


図2 選抜系統の年度別草丈の推移

[その他]
研究課題名:洋ランの高品質・安定・低コスト生産のための有望種類、品種の選定 1)バンダ類の選定
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2001年度


目次へ戻る