［要約］: 受粉後7週間程度経過したトルコギキョウの未熟果を植物体から切り離し、種子が乾燥するまで摂氏13度前後の温度に置くと、その種子は高温の環境に播種されてもロゼット化しにくくなる。この登熟中の低温処理と、吸水種子への低温処理を組み合わせると、さらにロゼット化が軽減される。
［キーワード］: トルコギキョウ、ロゼット、未熟果、低温処理
［担当］: 九州沖縄農研・野菜花き研究部・花き研究室


［連絡先］電話0942-43-8271	
［区分］九州沖縄農業・野菜・花き、花き	
［分類］技術・参考

［背景・ねらい］: トルコギキョウの種子を高温環境に播種したときのロゼット化は、その種子が登熟する時の温度により影響を受ける。自然の低温は気象条件などの不安定要因が大きく、人工的な低温処理では費用を多く必要とする。そのために、植物体から切り離した未熟なさく果への低温処理によるロゼット軽減効果を検討する。また、吸水させた種子への低温処理によるロゼット軽減効果も発表されており、この処理と未熟果への低温処理を併用した場合の影響も明らかにする。

［成果の内容・特徴］

未熟なさく果を植物体から切り離し、摂氏11.5度暗黒の温度環境に乾燥するまで2ヶ月間置いた種子は、高温の環境に播種しても、樹上で秋に完熟させた種子よりロゼット化しにくい（表1）。
受粉後7週間経過した未熟果に摂氏13度前後で低温処理を行うと、ロゼット化軽減効果が大きい（図1）。9週間経過した未熟果では、効果の大きい温度は低温側へ移る。
切り離した未熟果への低温処理に加え、吸水種子への低温処理（摂氏11.5度、5週間）を行うと、それぞれ単独の処理を行ったときに比べ、ロゼット化がさらに軽減される（表1）。

［成果の活用面・留意点］

［具体的データ］

表1　未熟さく果ならびに吸水種子への低温によるロゼット化軽減効果

図1　低温処理開始時期と温度がロゼット回避個体率Zに及ぼす影響

［その他］

研究課題名：暖地における宿根性切り花の不良環境耐性育種
課題ID：07-05-03-01-05-02
予算区分　：交付金
研究期間　：1996～2002年度