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チャ炭疽病に対する新規EBI剤の効果的な散布時期


[要約]
新規EBI剤は、既存のEBI剤に比べてチャ炭疽病に対する治療効果が高い。秋芽2〜3葉期の降雨後(炭疽病菌の感染後)に散布すると高い効果が得られる。

[キーワード]
EBI剤,チャ炭疽病,治療効果

[担当]
鹿児島県茶業試験場・環境研究室

[連絡先]電話0993-83-2811	
[区分]九州沖縄農業・茶業	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
チャの秋芽生育期には、炭疽病と新梢枯死症の同時防除を主目的として、萌芽〜1葉期に保護殺菌剤、その7〜10日後にEBI剤を散布する2回散布体系が一般的に行われている。しかし、近年、秋芽生育期に降雨が多いことから、既存のEBI剤では十分な防除効果が得られず、炭疽病の多発を招く例がみられる。

このような状況の中で、炭疽病に対して既存の剤よりも治療効果が極めて高いEBI剤(フェンブコナゾールフロアブル,テトラコナゾールME)が新規登録されたので、秋期体系防除の中での効果的な使用法について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 新規EBI剤は、炭疽病に対する治療効果が得られる期間が12〜14日と、既存のEBI剤に比べて長い(表1)。

  2. 秋芽2〜3葉期(1回目の保護殺菌剤散布から10〜14日後頃)の防除は,降雨後に行うと効果が高い(図1図2表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 新規EBI剤散布の基本的考え方。

    (1)秋芽2〜3葉期に降雨がある場合にはその後に散布する。

    (2)秋芽2〜3葉期までに降雨がない場合は、3葉期に散布する。

  2. 新規EBI剤でも連用すると耐性菌の発生を招く恐れがあるので、原則年1回の使用とする。

[具体的データ]

表1 新規EBI剤の治療効果


図1 平成11年度の試験期間中の降水量


図2 平成13年度の試験期間中の降水量


表2 新規EBI剤を秋期体系防除2回目の治療剤として用いた場合(
図1 ,
図2 )の防除効果

[その他]
研究課題名:炭疽病の秋期体系防除試験
予算区分 :委託
研究期間 :1998〜2001年度


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