葉温め機の使用条件と効果
- [要約]
- かまいり茶製造において、炒り葉工程の前に設置した葉温め機の条件を釜底温度を摂氏350度,1時間あたりの生葉投入量を130kg,葉ざらい軸の回転数を26rpmに設定すると良好な葉温め効果が得られ、炒り葉機の処理能力が約2倍に向上する。
- [キーワード]
- かまいり茶、製造、葉温め、処理効率
- [担当]
- 宮崎総農試・茶業支場・加工科
[連絡先]電話0983-27-0355
[区分]九州沖縄農業・茶業
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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かまいり茶の炒り葉工程に用いられている連続式炒り葉機は、処理能力の低さや手炒りのかまいり茶にはあった釜香の不足が現場では問題になっている。そこで、生葉を炒り葉前に加熱する小型の機械を試作したところ、処理能力などの点で改善傾向が見られた。このため、炒り葉工程の前に茶葉を加熱する実用型の機械を葉温め機として製作し(図1)、効果や最適使用条件を検討する。
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[成果の内容・特徴]
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釜底温度と生葉投入量の組み合わせでは、釜底温度摂氏350度、時間あたり生葉投入量130kgで、茶葉に焦げや青枯れの発生もなく良好な葉温め効果が得られる(表1)。
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葉ざらい軸の回転数は26rpmが良い(表2)。
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葉温め処理を行った茶葉では、時間あたりの生葉投入量が130kgでも炒り葉機の第1円筒で十分な殺青が行われ、良好な釜香の発揚が得られる(表3)。
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120kg型の炒り葉機における時間あたりの標準的な生葉処理量は、葉温め処理を行わない場合約70kgなので、葉温めを行うことで処理能力が約2倍に向上する。
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[成果の活用面・留意点]
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製作した葉温め機は鉄製の半円筒釜(R=300mm,L=1500mm)によって生葉を加熱し、茶葉の撹拌及び移動を円筒方向の中心に、10本の葉ざらい手を150mm間隔で120度ずつ角度をずらして取り付けた葉ざらい軸によって行う構造になっている。
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葉温め機は、既存の連続式炒り葉機に取り付けて使用する。
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[具体的データ]
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図1 葉温め機の外観

表1 釜底温度及び生葉投入量と葉温め効果の評価

表2 釜底温度及び葉ざらいの回転数と葉温め効果の評価

表3 葉温め機及び炒り葉機第1円筒処理後の茶葉状態の評価
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[その他]
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研究課題名:香り豊かなみやざき「かまいり茶」加工技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2003年度
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