「やぶきた」の蒸熱時間と色素変化
- [要約]
- 「やぶきた」二、三番茶の露地原料はクロロフィル総量が少なく、蒸熱時間が長いとクロロフィル含有率も減少し、色沢は低下しやすい。
- [キーワード]
- やぶきた、蒸熱、クロロフィル、荒茶色沢
- [担当]
- 鹿児島県茶業試験場、加工研究室
[連絡先]電話0993-83-2811
[区分]九州沖縄農業・茶業
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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二、三番茶で色沢の著しく低下している荒茶がみられる。そこで、原料別の蒸度と色素変化及び荒茶色沢との関係を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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「やぶきた」の一番茶ではクロロフィル総量及びクロロフィル含有率は蒸熱時間による影響は小さい(図1)。
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二番茶では「やぶきた」と「ゆたかみどり」のクロロフィル総量はそれほど差はないが、クロロフィル含有率は「やぶきた」で少ない(図2、図3)。また、「やぶきた」の三番茶はクロロフィル総量も少なくなる(データ略)。
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クロロフィル総量の少ない「やぶきた」二,三番茶の露地原料は蒸熱時間が長いとクロロフィル含有率が低下する。(図2、図3)。
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クロロフィル総量及びクロロフィル含有率が高いほど、色沢評点も高い傾向を示す(図4、図5)。
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[成果の活用面・留意点]
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フェオフィチンをクロロフィルに換算し合計した量をクロロフィル総量、クロロフィル総量に対するクロロフィル含量の割合をクロロフィル含有率とする。
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クロロフィル総量の少ない原料は深蒸しには適さない。
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二、三番茶は製造中の茶温が高いとクロロフィルが減少しやすい。
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[具体的データ]
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図1 一番茶荒茶でのChl総量及びChl含量

図2 二番茶でのChl総量

図3 二番茶でのChl含有率

図4 色沢評価とChl含有率

図5 二、三番茶でのChl総量と色沢評価の分布
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[その他]
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研究課題名:荒茶色沢の改善技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2002年度
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