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稚苗移植水稲におけるスクミリンゴガイの要防除水準


[要約]
稚苗移植水稲における殻高25mmのスクミリンゴガイの要防除水準は、1.5頭/m2以上である。

[キーワード]
スクミリンゴガイ、稚苗移植水稲、要防除水準

[担当]
佐賀農業セ・土壌環境部・病害虫農薬研究室

[連絡先]電話0952-45-2141	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
稚苗移植水稲におけるスクミリンゴガイの要防除水準を明らかにすることは、本種の防除対策上、重要である。貝密度とイネの収量との関係については、和歌山県で調べられた事例があるが、4段階の放飼密度(0,4,12,30頭/m2)による単年度試験であり、その詳細は明らかにされていない。そこで、5〜6段階の貝密度とイネの収量との関係を、2ヶ年にわたって調べ、本種の要除水準(ここでは5%以上減収しないための水準とする)を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 稚苗移植水稲において、殻高25mmのスクミリンゴガイが0〜1.5頭/m2では、貝の食害による収量低下はみられない(表1,図1)。

  2. 一方、スクミリンゴガイが1.5頭/m2以上では、密度が高まるにつれ、収量が顕著に低下する(表1,図1)。このことから、稚苗移植水稲における、中型のスクミリンゴガイが1.5頭/m2以上いれば防除が必要である。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本研究では殻高25mmの中型の貝を放飼することで要防除水準の推定を行ったが、実際の圃場では小型〜中型の大きさの異なる貝が混在する。しかし、加害の主体でありかつ見つけやすい中型の貝のみの密度を調査し、本要防除水準と照らし合わせることは、迅速に防除要否を判断する方法として有効と思われる。

[具体的データ]

表1 貝密度とイネの収量a)


図1 スクミリンゴガイの貝密度とイネの収量との関係(稚苗移植水稲)

[その他]
研究課題名:稚苗移植水稲におけるスクミリンゴガイの被害許容水準
予算区分 :国庫補助(総合的病害虫管理推進事業)
研究期間 :1999〜2000年度


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