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集合フェロモン、誘引用蛍光灯および殺虫ネットを組み合せた装置による果樹カメムシ類の大量誘殺


[要約]
チャバネアオカメムシの集合フェロモンと誘引用蛍光灯によって果樹カメムシ類を誘引し、これを殺虫ネットに接触させることによって大量に誘殺することが可能である。

[キーワード]
果樹カメムシ類、集合フェロモン、誘引用蛍光灯、殺虫ネット、大量誘殺

[担当]
大分農技セ・果樹部

[連絡先]電話0978-37-1141	
[区分]九州沖縄農業・病害虫、果樹	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
果樹カメムシ類がナシ園に次々と多飛来する、いわゆるカメムシ多発生年においては、園内での薬剤防除のみでは防除効果や防除労力に限界がある。そこで、ナシ園へのカメムシ類の多飛来を極力防止することをねらいとして、集合フェロモン、誘引用蛍光灯および殺虫ネットの利用によってカメムシ類を大量誘殺できるかどうかを明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 果樹カメムシの大量誘殺装置の概要は図1に示したとおりである。

  2. 慣行の水盤型誘殺装置にくらべ、本誘殺装置では極めて大量の果樹カメムシ類を誘殺することが可能である(表1)。

  3. カメムシ誘引源としては、集合フェロモンと誘引用蛍光灯を併用する方が単用よりも明らかに誘殺効果が高い。

[成果の活用面・留意点]
  1. チャバネアオカメムシ用集合フェロモンは、平成15年3月現在、農薬取締法に基づく登録がされていないので、試験研究目的以外には使用できない。

  2. 殺虫ネットへのペルメトリン乳剤10倍の散布については、平成15年3月現在、農薬取締法に基づく使用方法として認められていないので、試験研究目的以外には使用できない。

  3. 本誘殺装置の実用化にあたっては、装置の大きさや型、装置の設置場所や時期等を明らかにする必要がある。

[具体的データ]

図1 果樹カメムシ類の大量誘殺装置


表1 大量誘殺装置と慣行の水盤型誘殺装置における果樹カメムシ類の誘殺効果(2002)

[その他]
研究課題名:集合フェロモンを利用した果樹カメムシ類の環境保全型防除技術の開発
予算区分 :助成試験(新技術実用型)
研究期間 :2002年度(2002〜2003年度)


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