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イチゴの高設栽培は土耕栽培より灰色かび病の発生が多い


[要約]
イチゴの灰色かび病は高設栽培の方が土耕栽培より発生が多い。これは高設栽培で植物体の濡れ時間が長いことが原因と考えられる。

[キーワード]
イチゴ、高設栽培、土耕栽培、灰色かび病、濡れ

[担当]
鹿児島県農業試験場・病虫部

[連絡先]099-268-3231	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
イチゴの高設栽培は栽培槽が高く作業が行いやすいため、普及しつつある。しかし、高設栽培は従来の栽培法に比べ、培土量が少なく、管理方法も異なる点が多い。そのため、生育や環境条件等も異なり、病害の発生も違いがあることが予想される。そこで高設栽培と土耕栽培の病害の発生相を調査し、防除対策に資する。

[成果の内容・特徴]
  1. イチゴの高設栽培は土耕栽培に比べて灰色かび病の発生が多い(図1図2)。

  2. この原因は高設栽培は土耕栽培に比べ、植物体の濡れ時間が長いことによるものと考えられる(図3)。高設栽培の培土は気相の割合が高いため根の活性が高く、培土量も少ないため、灌水量が多くなる。そのため葉の溢液が増加し、植物体の濡れ時間が長くなるものとみられる。

[成果の活用面・留意点]
  1. 圃場をよく見回り病害の初期発生に注意し、適期防除に努める。

[具体的データ]

図1 同一ハウス内に両栽培を行うA圃場における灰色かび病発生の推移(平成11〜12年)


図2 同一敷地内に別棟で両栽培を行うB圃場における灰色かび病発生の推移(平成11〜12年)


図3 高設栽培と土壌栽培における漏れ株率の推移(平成13年1月27日)

[その他]
研究課題名:施設野菜病害虫の環境保全型総合管理技術の開発
予算区分 :助成(新技術地域実用化研究)
研究期間 :1999〜2001年度


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