Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成14年度目次

イチゴにおけるハダニ類の発生状況を把握する簡易調査法


[要約]
イチゴで1株1小葉におけるハダニの有無を確認し、寄生株率を求める簡易調査法は、短時間で、ハダニ類の発生状況を把握できる。

[キーワード]
イチゴ、ハダニ、簡易調査法、チリカブリダニ、調査方法

[担当]
鹿児島農試・病虫部

[連絡先]099-268-3231	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
イチゴのハダニ類の防除にチリカブリダニを利用する場合、天敵の導入前と導入後に、ほ場内におけるハダニの発生状況を定期的に把握する必要がある。しかし、イチゴに発生するハダニ類は、ほ場内で偏在する上、葉裏に多い。これまでは、ハダニの発生状況を正確に把握するため、10a当たり200株程度を調査株とし、1株当たり3複葉に寄生する虫数を計数する必要があった。しかし、イチゴは植え付け株数も多いため、この方法では多大な労力と時間を要していた。そのため、省力的でかつ正確にハダニ類の発生状況を把握できる調査法を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. イチゴは2条植えのため、片側の列を約2メートル(約20株)に1株の割合で、任意の1小葉におけるハダニ類の有無を確認し、ハダニ類の寄生株率を算出する。調査株の間隔は高設栽培であれば栽培槽の支柱、土耕栽培であればハウス谷の支柱の間隔を参考にする。イチゴは10a当たり約6000株を植え付けてあることから調査株数は約300株に相当する。

  2. 簡易調査法によるハダニ類寄生株率は、いずれのほ場、高設、土耕栽培法共に従来の調査法による寄生株率と高い相関関係を示す(図1図2図3)。

  3. 10a当たり1人で約2〜3時間を要していた従来の調査法に比べ、この方法では10a当たり約30〜40分の調査時間である。このため、この調査法を用いることで短時間でハダニ類の発生を把握できる。

[成果の活用面・留意点]
  1. チリカブリダニの導入前、導入後は、本調査法を用いてハダニ類の発生状況の推移を把握する。

[具体的データ]

図1 Aほ場高設栽培における簡易調査と従来調査によるハダニ類寄生株率の相関


図2 Aほ場土耕栽培における簡易調査と従来調査夜ハダニ類寄生株率の相関


図3 Bほ場高設栽培における簡易調査と従来調査によるハダに類寄生株率の相関

[その他]
研究課題名:施設野菜病害虫の環境保全型総合管理技術の確立
予算区分 :助成
研究期間 :2000年度


目次へ戻る