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温湯処理によるマンゴー軸腐病の発病抑制効果


[要約]
摂氏52度の温水に20分間浸漬し、その後冷水で10分間浸漬する温湯処理技術により、マンゴー果実における軸腐病の発病抑制効果並びに腐敗の遅延効果が期待できる。

[キーワード]
マンゴー、軸腐病、果実、温湯処理

[担当]
沖縄農試・宮古支場・園芸研究室

[連絡先]電話09807-2-3148	
[区分]九州沖縄農業・病害虫・病害	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
近年、沖縄県において収穫後のマンゴー果実に、果梗部の周辺から軟化褐変し、急速に腐敗する軸腐病が発生し問題となっている。本病は輸送中に症状が悪化するため、消費者や市場からの信頼を失い沖縄ブランド産品としての評価にも悪影響を及ぼす。そこで軸腐病菌による果実腐敗に対する温湯処理の効果を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 摂氏52度の温水に20分間浸漬し、その後すぐに冷水で10分間浸漬する方法で温湯処理を行った。

  2. 無処理区では、菌接種4日後にすべての果実で発病が認められたのに対し、温湯処理区では接種4日後の発病率が35%、6日後でも45%と対照区と比較して高い発病抑制効果が認められた(表1図1図2)。

  3. 果実発病度の推移をみると、無処理区で菌接種後、急速に果実腐敗が進展し、6日後には発病度が76と高い値を示したのに対し、温湯処理区では腐敗の進行が遅く、6日後でも発病度が28と低い値を示した(図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. マンゴー炭疽病との同時防除が可能である(九農研第53号・平成3年8月)。

  2. 本試験において果実品質に及ぼす影響は特に認められなかった。

  3. 処理後の果実品質に対する具体的な評価を行う必要がある。

[具体的データ]

表1 マンゴー軸腐病の発病に対する温湯処理効果


図1 対照区(4日後)


図2 温湯処理区(4日後)


図3 果実発病度の推移

[その他]
研究課題名:宮古島におけるマンゴー軸腐病の発生実態調査及び防除技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2001年度


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