シルバーリーフコナジラミ保存死虫からのTYLCVのPCR検出
- [要約]
- TYLCVを保毒したシルバーリーフコナジラミの乾燥死虫から、PCRにより、ウイルスを検出することができ、保存7日後でも高率に検出できる。
- [キーワード]
- TYLCV、シルバーリーフコナジラミ、遺伝子診断、PCR、死虫
- [担当]
- 長崎総農林試・環境部・病害虫科
[連絡先]電話0957-26-3330
[区分]九州沖縄農業・病害虫
[分類]科学・普及
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[背景・ねらい]
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トマト黄化葉巻病は、Tomato yellow leaf curl virus(TYLCV)を病原とするウイルス病で、感染、発病したトマトは新葉が黄化、萎縮して生長が止まり、着果不良になるため、長期間栽培を行う促成栽培で大きな被害を与える。本病は、シルバーリーフコナジラミによって媒介されるため、圃場内外における本種の保毒率をモニタリングすることは、感染回避において重要である。そこで、生産現場における活用を考慮し、死後、一定期間放置した保毒虫からのPCRによるウイルス検出について検討を行う。
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[成果の内容・特徴]
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死後1、3、5および7日間、摂氏27度で保存した乾燥保毒虫から、PCR法によってTYLCVがそれぞれ87.5,100,90および90%の割合で検出され、7日後においても、高率に検出することができる(表および図)。
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[成果の活用面・留意点]
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プライマーは既報のTYプライマーを用い、PCR条件は大貫らの方法に準じる。
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[具体的データ]
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表死後保存期間の異なる保毒シルバーリーフコナジラミからのTYLCV検出
図死後7日の媒介虫より抽出したDNAからPCRによって得られたTYLCVの特異的断片
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[その他]
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研究課題名:トマト黄化葉巻病の病原ウイルス及び媒介虫シルバーリーフコナジラミの生態解明に基づく環境保全型防除技術の確立
予算区分 :国庫補助(地域新技術)
研究期間 :2001〜2003年度
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