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リーフレタス栽培における豚ぷん堆肥中無機態窒素の供給量


[要約]
県内で生産される豚ぷん堆肥中の全窒素含量は1.1〜3.2%であり、リーフレタス栽培に利用すると、冬出し、初夏出し期間ともそのうち約13〜34%が無機化すると予測される。堆肥1tを施用すると、堆肥から約3.1〜7.2kgの無機態窒素を供給できる。

[キーワード]
豚ぷん堆肥、全窒素、無機化、無機態窒素

[担当]
福岡農総試・化学部・土壌管理研究室

[連絡先]092-924-2939	
[区分]九州沖縄農業・生産環境(土壌肥料)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
従来から耕種側にとって、豚ぷん堆肥は地力維持の観点から施用されることが多い牛ふん堆肥と、肥料としての観点から施用される鶏ふんの中間的な性質と位置づけられている。そこで、化学肥料削減に向け豚ぷん堆肥の肥料としての利用を推進するために、リーフレタス栽培を例に堆肥中の窒素無機化量を把握する。なお、合計で福岡県内の豚ぷん発生量の約1/4を占める7堆肥の個々について窒素無機化量を把握する。

[成果の内容・特徴]
  1. 県内主要豚ぷん堆肥の全窒素含量は堆肥現物当たり1.1〜3.2%、うちアンモニア態窒素は中熟の久留米Dを除けば0.07〜0.35%である。久留米Dは0.69%とアンモニア態窒素含量が多い(表1)。

  2. リーフレタス栽培における豚ぷん堆肥中全窒素の無機化率は、冬出し、初夏出し期間とも約13%〜34%と予測できる。堆肥1tを施用した場合は、堆肥から約3.1〜7.2kgの無機態窒素を供給できる(図1図2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 豚ぷん堆肥の施用基準改訂時の基礎資料として活用できる。

  2. 他の作物においても、地温データがあれば豚ぷん堆肥中窒素無機化の予測が可能である。

  3. 実際の堆肥施用量は、各堆肥ともカリ等の塩基類が過剰とならない量を施用する。

[具体的データ]

表1 県内豚ぷん堆肥の成分(平成13年9月〜10月)


図1 リーフレタス冬出し作における豚ぷん堆肥中窒素の無機化予測


図2 リーフレタス初夏出し作における豚ぷん堆肥中窒素の無機化予測

[その他]
研究課題名:葉菜類に対する豚ぷん堆肥の環境保全型施用技術の確立
予算区分 :国庫事業(土壌環境対策)
研究期間 :2001年


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