- [要約]
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- [キーワード]
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- [担当]
- [連絡先]096-248-6448
[区分]九州沖縄農業・生産環境(土壌肥料)
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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茶園には窒素肥料が多量に施用される傾向があり、過剰に施肥された窒素が流亡し、硝酸態窒素による環境負荷が懸念されている。熊本県では肥効調節型肥料を夏肥と秋肥に用いることで年間施肥量を50kg/10aとする施肥法が提案されている。そこで、現地ほ場における収量品質への影響および硝酸態窒素溶脱量を低減させる効果について230cm深さまでの土壌中硝酸態窒素量の推移を経時的に実測することで明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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夏肥と秋肥に肥効調節型肥料(被覆尿素肥料直線型70日タイプ)を用いて(表1)、施肥量を年間50kg/10aとしても収量・品質は3年間おおむね慣行区と同等である。(表2、図1)
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減肥区では5月下旬(一番茶後、梅雨前)の主要根圏域(0-40cm)土壌の無機態窒素量は、慣行区に比べ約20%減少する。(図2)
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減肥区の主要根圏域(0-40cm)土壌の無機態窒素量は、5月下旬を除き慣行区に比べ約10%減少する。(図2)
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160〜200cm深さにおける土壌中硝酸態窒素量が減少するのは減肥を開始してから1.5年〜2年後である。(図2)
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肥効調節型肥料を用いた30%減肥により160〜200cm深さの土壌中硝酸態窒素量は約30%減少する。(図2)
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夏肥と秋肥に肥効調節型肥料(被覆尿素肥料直線型70日タイプ)を用い、施肥量を年間50kg/10aとした場合の年間資材費は慣行区とおおむね同等である。(表1)
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[成果の活用面・留意点]
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黒ボク土茶園での、3年連用の結果である。
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肥効調節型肥料は施肥後、土壌と軽く混和する。
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気象条件、茶樹の状態に応じて追肥を行う必要がある。
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ほ場の施肥来歴によっては段階的な減肥を行う。
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[具体的データ]
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表1 施肥設計

表2 一番茶品質調査結果

図1 収量の推移

図2 土壌中無機態窒素量の推移
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[その他]
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研究課題名:茶園に施用された窒素の動態解明
予算区分 :県単
研究期間 :1998〜2002年度
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