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夏秋ピーマンのかん水施肥栽培における有機物施用効果


[要約]
黒ボク土での夏秋ピーマンのかん水施肥栽培では、有機物投入量が生育・収量に影響を及ぼし、深耕や畦高の影響は少ない。安定生産と施肥量低減を図るためには、5〜10t/10aの完熟牛糞堆肥連用が必要となる。

[キーワード]
黒ボク土、夏秋ピーマン、かん水施肥、有機物、土壌溶液、硝酸態窒素

[担当]
大分農技セ・畑地利用部

[連絡先]電話0974-22-0671	
[区分]九州沖縄農業・生産環境(土壌肥料)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
夏秋ピーマンのかん水施肥栽培において、有機物施用や深耕・畦高など栽培様式の違いが収量や肥培管理に及ぼす影響を解明し、安定生産を維持すると共に環境への負荷低減技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 黒ボク土での夏秋ピーマンのかん水施肥栽培において、有機物投入量、深耕の有無、畦の高低と生育・収量に及ぼす影響について検討すると、深耕及び畦の高低の影響は少なく、有機物投入量の影響が大きい(表1表2)。

  2. かん水施肥栽培では、減肥率5割の場合、有機物投入量による生育・収量への影響は大きく、増収と施肥量低減を図るためには、5〜10t/10aの完熟牛糞堆肥連用が必要となる(表3)。

  3. 栽培期間中の土壌溶液の硝酸態窒素濃度は、かん水施肥栽培(5割減肥)では堆肥投入量を増加させても慣行栽培に比べ低い濃度で推移する。さらに、かん水施肥栽培は、根群域が適水分値に保たれるため、根群へのストレスや地下浸透水への環境負荷は低く抑えられる(図1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. かん水施肥栽培の減肥率は、栽培土壌の肥沃度と有機物資材の窒素成分量を考慮する。

  2. 完熟牛糞堆肥N:7kg/tの結果である。

  3. 黒ボク土での結果である。

[具体的データ]

表1 かん水施肥栽培有機物施用・栽培様式別収量


表2 深耕、有機物投入量、畦高が総収量に及ぼす影響


表3 収量および果実・茎葉の窒素吸収量


図1 土壌溶液中の硝酸態窒素濃度の推移

[その他]
研究課題名:養液栽培などの新生産システムにおける環境負荷低減技術の確立
予算区分 :助成試験(地域基幹)
研究期間 :2000〜2002年度


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