輪ギクでの隔離ベッド栽培における適正培養土量
- [要約]
- 黒ボク土壌と牛ふん堆肥を4:1の容積比に混合した培養土を用いた輪ギクの隔離ベッドかん水施肥栽培(摘心栽培)では、1株当たり3.0L以上の培養土量で、慣行土耕栽培以上のボリューム感のある輪ギクが得られる。
- [キーワード]
- 輪ギク、隔離ベッド栽培、培養土量
- [担当]
- 鹿児島農試・土壌肥料部
[連絡先]電話099-268-3234
[区分]九州沖縄農業・生産環境(土壌肥料)
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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隔離ベッド栽培は、排液を生じない環境保全的な栽培法である。そこで、発泡スチロール容器を活用した隔離ベッドを作成し、かん水施肥を用いた輪ギクでの隔離ベッド栽培における最適培養土量を検討する。
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[成果の内容・特徴]
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隔離ベッド栽培の草丈は、慣行栽培とほぼ同等で、培養土量の違いは草丈には影響しない。また、隔離ベッド栽培の90cm切り花重は慣行栽培に比べて重く、培養土量が多いほど重い傾向にある(図1)。
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隔離ベッド栽培の規格品割合は慣行栽培に比べて高い。また、隔離ベッド栽培では培養土量が多いほど2L率は高いが、規格品割合は同等である(図2)。
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隔離ベッド栽培の養分吸収量は慣行栽培に比べて高く、また、培養土量が多いほどこの傾向が強い(図3)。このことは、培養土に混合した牛ふん堆肥からの養分供給量が多いことによると考えられる(表1)。
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以上のことから、輪ギクの摘心栽培では、1株当たり3.0L以上の培養土量が適当である。
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[成果の活用面・留意点]
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本試験で用いた培養土は淡色黒ボク土壌と牛ふん堆肥を4:1の容積比で混合したものである。
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発泡スチロール容器は縦110cm、横37cm、高さ18cm(3.0L/株)、26cm(4.6L/株)のものを用い、ブロックの上に発泡スチロール容器を2列に並べてベッドとした。
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[具体的データ]
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図1 輪ギク栽培終了時の草丈と90cm切り花重

図2 階級別割合

図3 養分吸収量

表1 施肥量及び跡地土壌の化学性(平成13年度)
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[その他]
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研究課題名:環境負荷低減のための果菜類・切り花の新栽培・施肥管理システム
予算区分 :助成事業(地域基幹)
研究期間 :2000〜2001年度
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