筑後川・矢部川を主水源とするクリークの水質
- [要約]
- 筑後川,矢部川を主水源とするクリークの平均的な水質は、COD及びT-Nが農業用水基準を満たしていない。平成4年から10年間の推移は、pH、EC、DOは殆ど変化が無いが、T-N、COD、T-Pは微増している。
- [キーワード]
- クリーク、農業用水
- [担当]
- 福岡農総試・化学部・公鉱害研究室
[連絡先]電話:092-924-2939
[区分]九州沖縄農業・生産環境(土壌肥料)
[分類]行政・参考
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[背景・ねらい]
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筑後川及び矢部川下流域のクリークは、農業用水のみならず、洪水調節、集落排水、防火用水、淡水魚の養殖、自然環境維持等と地域住民の生活に密着した機能を有している。しかしながら、近年の社会生活の変化に伴い、クリーク本来の機能に障害が出てきている。特に農業用水としての水質が悪化傾向にあるため、水質の実態及び動向を把握する。
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[成果の内容・特徴]
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クリークの平均値では、CODとT-Nが農業用水基準値(COD:6mg/L以下、T-N:1mg/L以下)を満たしていない(表1)。また、水が停滞しがちな非かんがい期の水質が悪化している(データ略)。
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調査開始の初年度を1として見た年次変動では、pH、EC、DOは殆ど変化がみられない(図1)。
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COD、T-P、Cl-、SSが微増加傾向にある(図1)。
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T-Nも増加傾向である。その中で、アンモニア態窒素は減少しているが、硝酸態窒素は増加している(図1)。
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[成果の活用面・留意点]
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水稲施肥基準に掲載し、かんがい水の水質を考慮した栽培法を指導する。
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[具体的データ]
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表1 クリークの平均水質(1992〜2001年)

図1 1992年(平成4年)の値を1とした場合の年次変動
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[その他]
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研究課題名:筑後川水系開発基本調査(平成12年より完了地区フォローアップ調査)
予算区分 :国庫(受託)
研究期間 :1992〜2001年度
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