Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成14年度目次

長崎県型イチゴ高設栽培用スクリュ式耕うん機


[要約]
本機は培土上に機体を乗せて耕うん・株起し作業を行うスクリュ式耕うん機である。前後4角に装備したガイド輪により耕うん深さ、耕うん位置が調整でき、10a当たりの作業時間は株起しで2.8時間、耕うんで2.3時間であり、それぞれ手作業の約1/5、約1/3に短縮できる。

[キーワード]
イチゴ、高設栽培、スクリュ式耕うん機、株起し、耕うん

[担当]
長崎総農林試・経営部・機械施設科

[連絡先]0957-26-3330	
[区分]九州沖縄農業・農業機械・土木	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
長崎県型イチゴ高設栽培は、作業姿勢の改善による省力・軽作業効果が高いが、株起しや耕うんなどの作業を手作業で行わなければならない。このため高設栽培の耕うん作業の省力・軽作業化を目的に民間企業と協力して高設栽培用耕うん機の開発を行う。

[成果の内容・特徴]
  1. 開発機は2個のスクリュで耕うんを行う小型の耕うん専用機であり、25.4ccの4サイクルエンジンを使用している。重量は18kgである(表1写真1)。また耕うん幅が360mm、耕うん深さが最高100mmで長崎県型イチゴ高設栽培槽を高精度に耕うんできる。

  2. 開発機はベンチ内の培土に機体を乗せ、進行方向に引きながら作業を行う。耕うん深さは前後4角に取りつけたガイド輪の上下により調整する(写真2)。

  3. スクリュ爪で培土を水平方向に攪拌するため、ロータリ方式のような培土の持ち上げが少なく、土こぼれ等による培土のロスが少ない。

  4. 株起し作業時間は2人作業でハウス10a当たり2.8時間であり、手作業の場合の23.2%に短縮できる(表2)。作業後、ベンチ中央に根の土が払われた状態の株が集まるので、後の株の除去や株についた土のふるい落とし作業が省力化できる。

  5. 耕うん作業時間は2人作業でハウス10a当たり2.3時間であり、手作業の場合の33.9%に短縮できる(表2)。作業後、培土表面に残根等が集まるので、耕うん後の培土のふるい作業や残根等の取り除き作業が省力化できる。

[成果の活用面・留意点]
  1. 長崎県型イチゴ高設栽培の耕うんおよび株起し作業が省力化できる。

  2. 株起し作業に使用する場合、前処理として株の根を十分枯らした後、茎葉を取り除きクラウン部が残る状態にする。また、作業前には潅水を行い、ほこりが立たない程度に培土を湿らせておく。

  3. 開発したスクリュ式耕うん機は現在13.8万円で市販されている。

[具体的データ]

表1 スクリュ式耕うん機の仕様


写真1 高設栽培用スクリュ式耕うん機


写真2 2耕うん機下部


表2 作業能率

[その他]
研究課題名:高設栽培用簡易耕うん機の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2002年度


目次へ戻る