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段ボール箱出荷葉ネギの包装シール方法


[要約]
葉ネギを段ボール箱で出荷する場合、袋のセンター部は縦目を重ね、サイド部は一部を除いて横目でシールする方法が適当である。この包装シール方法を行うことで、段ボール箱で出荷しても現行の発泡スチロール容器を用いた場合とほぼ同等の品質保持能が得られる。

[キーワード]
葉ネギ、段ボール箱、発泡スチロール容器、包装シール方法、品質保持能

[担当]
佐賀農業セ・企画流通部・流通利用研究室

[連絡先]電話0952-45-2141	
[区分]九州沖縄農業・流通加工	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
近年、環境問題に対する関心の高まり等から、葉ネギの出荷資材として発泡スチロール容器に替わる再生処理が容易な段ボール箱等の活用が求められている。しかし、段ボール箱は発泡スチロール容器より品質保持能に劣る。そこで、佐賀県内で行われている葉ネギの包装シール方法の中から、段ボール箱での出荷に適する包装シール方法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 佐賀県内で行われている葉ネギの主な3つの包装シール方法の中では、機械包装Bの方法が蒸散抑制や外観評価の保持,ガス遮断性の点で最も優れる(図1表1)。

    〔主な包装シール方法の特徴〕

    • 機械包装A:包装機械で袋のセンター部とサイド部を点を積み重ねてシールする方法で、袋内外の空気の出入りが容易

    • 機械包装B:包装機械で袋のセンター部は縦目を重ね、サイド部は一部を除いて横目でシールする方法で、袋内外の空気の出入りが困難

    • 手詰め:手作業で袋の上部を粘着テープでシールする方法で、袋内外の空気の出入りがやや困難

  2. 葉ネギを機械包装Bの方法で包装する場合、包装後4日目までは段ボール箱を出荷資材としても現行の発泡スチロール容器を用いた場合とほぼ同程度に品質を保持することができる(表2)。

  3. 試験輸送の結果からも、同様の傾向が認められる(データ略)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 段ボール箱による出荷を求められた場合の包装方法の選択資料として活用できる。

  2. 段ボール箱による出荷は、発泡スチロール容器と比較して外気温の影響を受けやすいため、低温流通・低温管理を確実に行う必要がある。

[具体的データ]

図1 機械包装Aと機械包装Bの概略図


表1 出荷資材・包装シール方法別葉ネギの水分減少量の推移(摂氏25度保存)


表2 出荷資材・包装シール方法別葉ネギの総合評価の推移(摂氏25度保存)

[その他]
研究課題名:高温期における野菜の品質保持技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2002年度


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