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ニガウリの登熟特性


[要約]
ニガウリ"群星"の熟度は交配後の積算温日度に依存し、積算温日度摂氏約450〜550度が最も食べ頃である。摂氏600度を超えると過熟であり、摂氏600〜650度で黄化が発生する。熟度の進行に伴いGOT等の酵素活性は低下し、黄化の発生する熟度段階ではGOT活性は1000U/L以下に低下する傾向を示す。

[キーワード]
ニガウリ、熟度、積算温日度、黄化、過熟、GOT

[担当]
沖縄県農業試験場・化学部・流通加工研究室、土壌微生物肥料研究室

[連絡先]電話098-884-9911,9909	
[区分]九州沖縄農業・流通加工	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
ニガウリの収穫は外観による感覚的な判定で行われることが多く、このことが熟度の不統一や流通過程における過熟果発生等の原因となっている。このため、簡易で正確な熟度判定法の開発が急務となっている。本成果では、登熟に伴う外観(色、形状)及び内容成分の変化を調べ、各種パラメーターと熟度の関係を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 熟度は交配後日数(積算温日度)に依存する(表1)。

  2. ニガウリの熟度は交配後の温度履歴に依存する。熟度の進行に伴いGOT(グルタミンーオキザロ酢酸トランスアミナーゼ)等酵素活性は低下し、熟度と相関(R=-0.8870)が高いGOT活性は黄化の発生する熟度4.5〜5では1000U/L以下に低下する傾向を示す(図1)。

  3. 交配後の積算温日度摂氏450〜600度で種子が成熟すること、摂氏約600〜650度で黄化が発生すること、摂氏600度付近を境にリン、グルコース等の成分値が大きく変化することから交配後の積算温日度摂氏450度以上がニガウリの成熟期(摂氏450〜600度未満:熟〜完熟期,摂氏600度以後:過熟期)であると推察される(図3)。

  4. 官能試験の結果より、ニガウリの食べ頃は、熟度3.5〜4(積算温日度摂氏約450〜550度)の果実であることが推察される(図2,図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 交配後の温度履歴により果実の熟度が判断できることから、育種、品質評価試験等の基礎資料として活用できる。

  2. 温度履歴を明確にしておけば、熟度の揃った果実の収穫ができ、品質の安定化につながる。

[具体的データ]

表1 熟度と積算温日度の関係


図1 ニガウリのGOT活性


図2 ニガウリにおける熟度とおいしさの関係


図3 ニガウリ(群星)における交配後の積算温日度と熟度の関係

[その他]
研究課題名:フィールドアナライザーを用いた圃場でのリアルタイム栄養診断による野菜の環境保全型栽培技術の開発
予算区分 :助成試験
研究期間 :2000〜2002年度


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