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イチジク交雑実生のコルヒチン処理による倍数体の作出


[要約]
イチジクの交雑実生を、発芽直後から双葉展開後にコルヒチン0.01%水溶液に8〜16時間浸漬すると、実生は効率よく四倍体となる。

[キーワード]
イチジク、交雑実生、コルヒチン、四倍体

[担当]
福岡農総試・豊前分場・果樹研究室

[連絡先]0930-23-0163	
[区分]九州沖縄農業・植物バイテク	
[分類]科学・参考	

[背景・ねらい]
イチジク育種においては、大果で良食味な品種を育成する必要がある。しかし、良食味な品種の中で果実が大きいものがないため、良食味な品種間の交配から得られた交雑実生は果実が小さくなる。また、既存のイチジクはすべて二倍体であり、倍数体育成の手法も確立されていない。そこで、大果を目標とした育種の素材として四倍体を利用するため、交雑実生のコルヒチン処理による染色体の倍加手法を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. イチジク交雑実生は、発芽後にコルヒチンを含む2%ジメチルスルフォキシド(DMSO)水溶液に一定時間浸漬することで四倍体にできる(図1)。

  2. 発芽直後から双葉展開後の交雑実生のコルヒチン処理では、処理濃度が高く処理時間が長いほど処理後の実生の生存率が低いが、交配組み合わせにより処理後の実生の生存率が異なる(表1)。

  3. 発芽直後から双葉展開後の実生について効率よく四倍体を獲得するには、コルヒチン濃度0.01%で処理時間8〜16時間とするのがよい(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. イチジクの倍数性育種の手法として利用できる。

[具体的データ]

図1 イチジク交雑実生のコルヒチン処理


表1 イチジク交雑実生のコルヒチン処理における濃度と処理時間が、処理後の実生の生存率と四倍体の出現率に及ぼす影響

[その他]
研究課題名:ゲノム操作及びDNAマーカー利用によるイチジクの育種技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2001年度


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