筑後地域における大豆後晩播小麦の最適な播種量と窒素施肥法
- [要約]
- 大豆後で小麦を晩播する場合、倒伏、収量、検査等級およびタンパク質含有率からみた適正な播種量および窒素施肥法は、「シロガネコムギ」で0.73kg/a、0.3+0.6+0.2kg/a、「チクゴイズミ」では0.52kg/a、0+0.7+0.2kg/aである。
- [キーワード]
- 大豆後、コムギ、播種量、窒素施肥法
- [担当]
- 福岡農試・筑後分場・水田高度利用チーム
[連絡先]電話0944-32-1029
[区分]九州沖縄農業・水田作
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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小麦の作付けの多い筑後地域では、大豆の作付面積拡大に伴い、大豆後に作付けされる小麦の割合が高まっている。大豆後作に小麦を作付けする場合、播種時期が遅くなり、12月上旬に播種することが多い。また、大豆後では生育過多になりやすく、倒伏による品質低下を招くことが多い。そこで、大豆後晩播小麦の高品質安定生産のための最適な播種量と窒素施肥法を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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「シロガネコムギ」の場合、播種量は穂数と収量からみて0.73kg/aが良い。また、収量、検査等級およびタンパク質含有率からみた適正な施肥法は、0.3+0.6+0.2(基肥+分げつ肥+穂肥以下同じ)Nkg/aである(表1)。
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チクゴイズミ」の場合、播種量は収量、検査等級及びタンパク質含有率から総合的にみて、5.2kg/10aが良い。また、倒伏、収量、検査等級およびタンパク質含有率からみた適正な施肥法は、0+0.7+0.2Nkg/aである(表1)。
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[成果の活用面・留意点]
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水田輪作体系で、大豆後に小麦を作付けする場合の高品質安定生産のための技術資料として活用できる。
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小麦の分げつ肥は1月中〜下旬、穂肥は3月上旬に施用する。
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本成果は細粒灰色低地土(埴土)の土壌条件で得られたものである。
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[具体的データ]
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表1 大豆後作小麦の播種量、施肥法と生育、収量、品質(2001〜2002年の平均値)
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[その他]
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研究課題名:北部九州における小麦品質の高位安定化技術の確立
予算区分 :受託試験(21世紀プロ1系)
研究期間 :2001〜2002年度
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