早生、強稈、良食味水稲品種「ちゅらひかり」の特性
- [要約]
- 水稲「ちゅらひかり」を県下全域を対象に奨励品種に採用する。「ちゅらひかり」は「ひとめぼれ」に比較して一期作では2〜4日、二期作では5日程度遅い早生で、いもち病抵抗性および耐倒伏性ともに強く、食味は「ひとめぼれ」に近い良食味である。
- [キーワード]
- イネ、ちゅらひかり、いもち病抵抗性、耐倒伏性、良食味
- [担当]
- 沖縄県農試・名護支場・水田作研究室、八重山支場・作物研究室
[連絡先]電話0980-52-2811
[区分]九州沖縄農業・水田作(水稲)
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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沖縄県における水稲の作付け品種は「ひとめぼれ」が約90%前後を占めているが、「ひとめぼれ」の作付けによりいもち病や倒伏が発生し減収した地域もある。生産現場からは「ひとめぼれ」に近い食味を有し、いもち病抵抗性や耐倒伏性の強い品種が要望されていた。そこで、地域産米の作柄安定と良食味米の生産を図るため、いもち病および倒伏に強く、良食味である「ちゅらひかり」を奨励品種に採用する。
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[成果の内容・特徴]
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「ちゅらひかり」(ひとめぼれ/奥羽338号:2003年、東北農業研究センター育成)は「ひとめぼれ」と比較して次のような特性を有する。
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出穂・成熟期は一期作で2〜4日、二期作では5日程度遅い早生(表1)。
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稈長は一期作では同等で、二期作ではやや長い。穂長はやや長いが穂数は少ない(表1)。
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玄米収量は一期作では「ひとめぼれ」並み、二期作では多収である(表2)。
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いもち病抵抗性および耐倒伏性は強い(表2)。
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背白米や乳白米がやや多く玄米品質はやや劣る(表2)。
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白米タンパク質含有率は「ひとめぼれ」よりやや低く、食味は「ひとめぼれ」並みで良好である(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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「ひとめぼれ」の作付けによりいもち病や倒伏が問題となっている地域に普及する。
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いもち病や倒伏には強いが、食味向上のため極端な多肥栽培や穂肥の多量施用は避け、基準施肥量の施用を励行する。
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登熟期の高温により背白、基白が発生しやすいので、一期作では晩植しない。
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[具体的データ]
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表1 生育、収量調査結果

表2 障害の発生および品質食味調査結果
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[その他]
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研究課題名:水稲奨励品種決定調査
予算区分 :補助事業、県単
研究期間 :1998〜2002年度
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