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ダイズ「サチユタカ」の裂皮粒発生を抑える播種時期、播種密度および収穫時期


[要約]
「サチユタカ」の裂皮粒は7月播種に比べて6月播種の発生が多い。m2当たり粒数が減少すると裂皮粒の発生が多くなるため、株間を狭めて苗立ち株数を増やし、成熟期後速やかに収穫することが裂皮粒の増加を防ぐ。
[キーワード]
ダイズ、サチユタカ、裂皮粒、適期播種、播種密度、収穫時期

[担当]
福岡農総試・農産部・栽培品質チーム

[連絡先]電話092-924-2937	
[区分]九州沖縄農業・水田作	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
大豆品種「サチユタカ」は年次により裂皮粒が発生し、問題となっている。裂皮粒が混入すると検査等級や加工適性が劣るため、「サチユタカ」の普及には裂皮粒の軽減技術が必要である。そこで、「サチユタカ」の播種時期、播種密度および収穫時期と裂皮粒発生との関係を明らかにし、裂皮粒軽減のための適正播種時期や播種密度および収穫時期を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 6月12日から7月24日に播種された「サチユタカ」では播種時期が早いほど裂皮粒の発生が多く、特に6月12日播では粒茎比が低下して発生率が高まる。7月10日および24日播では裂皮粒の発生は少ない(表1)。

  2. 裂皮粒発生率とm2当たり粒数との間には高い負の相関関係が認められ、m2当たり粒数が減少すると裂皮粒発生率が高まる(図1)。株間を狭め苗立ち株数を増やすことで、m2当たり粒数が増加し、裂皮粒の発生率が低下する(表1)。

  3. 成熟期後日数が経過することでも裂皮粒発生率が高まり、検査等級の低下につながる(表2)ことから、成熟期後、速やかに収穫することが望ましい。

[成果の活用面・留意点]
  1. 「サチユタカ」の裂皮粒発生軽減を図る際の参考となる。

  2. 裂皮粒発生の要因については、生育量と気象要因との関係からさらに明らかにする必要がある。

[具体的データ]

表1 裂皮粒発生率と播種密度との関係


図1 裂皮粒発生率とm2当たり粒数との関係


表2 収穫時期と裂皮粒発生率との関係

[その他]
研究課題名:新たな米生産調整拡大に対応した水田転作大豆の高生産技術
予算区分 :助成試験(地域基幹)
研究期間 :2000〜2003年度


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