長崎県におけるスルホニルウレア系除草剤抵抗性イヌホタルイの発生と対策
- [要約]
- 長崎県芦辺町(現壱岐市)内の水田においてイヌホタルイのSU剤抵抗性バイオタイプの発生が確認された。本バオタイプは、ブロモブチド、クロメプロップ、ベンゾビシクロンを成分に含む一発処理除草剤を2葉期までに散布することで防除できる。
- [キーワード]
- 除草剤、スホニルウレア、SU剤抵抗性、バイオタイプ、イヌホタルイ
- [担当]
- 長崎県総合農林試験場・作物部・栽培技術科
[連絡先]電話0957-26-3330
[区分]九州沖縄農業・水田作
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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近年、スルホニルウレア系除草剤(SU剤)に抵抗性を持つ水田雑草の発生が全国的に問題化している。現在イヌホタルイを含む12の草種で確認されており、九州では佐賀県、宮崎県、福岡県において発生が報告されている。一方、長崎県壱岐郡芦辺町において1999年頃からイヌホタルイの残草が目立つ水田が見られ、SU剤抵抗性の疑いが持たれた。そこで,SU剤抵抗性の有無を確認するとともに県防除基準採用剤および候補剤の中から有効な除草剤を見い出す。
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[成果の内容・特徴]
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壱岐郡芦辺町においてイヌホタルイの残草が認められた圃場では、1997年以降、同じSU剤を含む除草剤が連用されていた。
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SU剤単剤による薬量反応試験(表1)、発根法(図1)の結果から、芦辺町で残草が認められたイヌホタルイはSU剤抵抗性バイオタイプである。
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イヌホタルイのSU剤抵抗性バイオタイプは、非SU系除草剤であるブロモブチド、クロメプロップまたはベンゾビシクロンを成分に含む表2に示した一発処理除草剤を2葉期までに散布することで防除できる(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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イヌホタルイのSU剤抵抗性バイオタイプ発生圃場における除草剤使用上の参考とする。
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[具体的データ]
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表1 イヌホタルイに対するSU剤薬量反応試験の結果

図1 発根法によるベンスルフロンメチルに対する反応の差異

表2 芦辺町産イヌホタルイに対する各除草剤の除草効果
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[その他]
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研究課題名:植物調節剤受託試験
予算区分 :受託試験
研究期間 :2003年度
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