改造バケットによるロールベールラップサイロのハンドリング方法
- [要約]
- 簡易な改造を加えたバケットを装着した市販のトラクタ装着式フロントローダを用いることにより、作業者1名で密封済みロールベールラップサイロのフィルムを傷つけることなく、ベールグリッパと同様に積載、荷降ろし、2段積み等の作業ができる。
- [キーワード]
- 細断型ロールベーラ、ロールベールラップサイロ、ベールグリッパ、鉄パイプ装着改造バケット、フロントローダ
- [担当]
- 宮崎畜試・飼養部・飼料草地科
[連絡先]電話0984-42-1122
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(草地飼料作)
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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細断型ロールベーラで成形したベールは崩れやすいため、ラップフィルムを使用して圃場で密封するので、密封後のロールベールラップサイロ運搬のためのハンドリングにベールグリッパが必要となる。細断型ロールベーラの導入に際して、ベールグリッパを所有していない農家では、合わせて購入する必要があり投資額がかさむ恐れがある。そこで、細断型ロールベーラを広く普及するために農家所有率の高い機械を利用することにより、ロールベールラップサイロの容易なハンドリングが可能な技術を開発する。
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[成果の内容・特徴]
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バケットの改造は、下部の縁に直径35mm程度、上部の縁に直径50mm程度の鉄製パイプを中央部が凹む様に仮溶接又はボルトとナットで固定し、直径10mm程度のビニル製ロープを、フロントローダの左右の支持部位からバケット上を通してバケットの下部約50cm程度まで垂らすように取り付ける(図1)。
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ロールベールラップサイロの積載は、(1)ロープをラップサイロ上部にかけ(図2-a)、(2)バケットの上下端をラップサイロに押し付け(図2-b)、(3)バケットをすくい上げて持ち上げる(図2-c)。バケットからの荷下ろしは、この逆の手順で行う。
- 2個及び6個積みトレーラへの積み込み作業時間は、作業者1名でロールベールラップサイロ1個につき1分程度である(写真、表1)。
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[成果の活用面・留意点]
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鉄製パイプによりフィルムが保護されるため、横倒しのロールベールラップサイロをバケットで立てることもできる。
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トラクタ後部にラップサイロの質量に見合ったバラストを装着し、急な旋回等は避ける。作業の安全性確保については十分に配慮する。
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[具体的データ]
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図1 バケットの改造状況

図2 ラップサイロの積載手順

表1 作業時間

写真 ラップサイロの積み込み風景
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[その他]
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研究課題名:自給粗飼料生産の機械体系化確立試験(細断型ロールベーラの実用化試験)
予算区分 :受託試験(生研センター)
研究期間 :2002〜2003年度
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