飼料イネ「スプライス」ホールクロップサイレージの消化性と採食性
- [要約]
- 黒毛和種繁殖雌牛における糊熟期刈り飼料イネホールクロップサイレージ(WCS)のTDNは約50%で、未消化モミ排泄率は5〜12%である。また、自由乾物摂取量及びTDN摂取量は維持要求量を上回るが、粗蛋白質摂取量は維持要求量の7割程度にとどまる。
- [キーワード]
- 飼料イネWCS、TDN、未消化モミ、摂取量
- [担当]
- 鹿児島畜試・飼料部
[連絡先]電話0995-48-2121
[区分]九州沖縄農業・畜産草地
[分類]技術・普及
-
[背景・ねらい]
-
-
[成果の内容・特徴]
-
-
糊熟期の飼料イネWCS「スプライス」の粗蛋白質含量は約5%と低い(表1)。
-
全糞採取法による飼料イネWCSのTDNは約50%で、日本標準飼料成分表のソルガムサイレージと同程度であった(表2)。
-
1日1頭当たりの自由乾物摂取量及びTDN摂取量は、日本飼養標準の肉用牛成雌牛(維持期)の要求量を上回るが、粗蛋白質摂取量については要求量の7割程度にとどまるため、給与の際は粗蛋白質の補充が必要である(表3)。
-
飼料イネWCSの未消化モミ排泄率は、5〜12%とトウモロコシサイレージとほぼ同程度である(表4)。
-
[成果の活用面・留意点]
-
-
西南暖地における飼料イネWCS利用の指針として利用できる。
-
本成果は家畜への給与の参考とはなるが、データ数がまだ少ないため、実際の給与に際しては飼料分析を行う必要がある。
-
[具体的データ]
-

表1 給与飼料成分値

表2 消化率及び乾物中TDN含量(%)

表3 自由乾物摂取量及び各成分摂取量

表4 未消化モミ排泄率(%)
-
[その他]
-
研究課題名:西南暖地における飼料イネの省力・低コスト生産利用技術確立
予算区分 :国庫1/2(新技術地域実用化促進事業)
研究期間 :2000〜2003年度研究
目次へ戻る