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採卵鶏への蒸気乾燥トウフ粕給与における酵素、Ca添加による破卵低減


[要約]
蒸気乾燥トウフ粕10%配合飼料にフィターゼを添加すると全期間において破卵率が抑制され、カルシウムを添加すると産卵後期の破卵率が減少する。蒸気乾燥トウフ粕10%配合飼料は、フィターゼ、カルシウムを添加しても単価を低く設定できるため、収益性は向上する。

[キーワード]
家禽、ニワトリ、卵用鶏、トウフ粕、フィターゼ、カルシウム、破卵率

[担当]
福岡農総試・家畜部・家きんチーム

[連絡先]電話092-925-5232	
[区分]九州沖縄農業・畜産・草地(中小家畜)	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
県内で開発された蒸気乾燥トウフ粕は水分が4%と低く保存性に優れ、大豆粕の代替飼料として採卵鶏の配合飼料原料への活用が期待できる。また、トウフ粕は安価であるため、配合飼料原料として利用すればコスト低減が可能である。当場では、トウフ粕を配合飼料原料として採卵鶏へ給与したところ、10%までの配合であれば産卵率に影響がないことを明らかにした。しかし、産卵後期に破卵率が増加するという問題が生じた。そこで、蒸気乾燥トウフ粕配合飼料にフィターゼあるいはカルシウムを添加した飼料を採卵鶏に給与することにより、産卵後期の破卵率抑制を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. トウフ粕10%配合飼料にフィターゼ300単位/kgを添加した飼料では、破卵率は全期間を通して低く推移し、トウフ粕10%配合カルシウム1.3%添加飼料では、60〜64週における破卵率の急激な上昇が抑制される。(表1表2図1)。

  2. トウフ粕10%配合飼料にフィターゼあるいはカルシウムを添加すると、産卵率が改善される傾向がみられる(表2)。

  3. トウフ粕10%配合飼料、トウフ粕10%配合カルシウム添加飼料、トウフ粕10%配合フィターゼ添加飼料は、市販配合飼料に比べて飼料単価が低く設定でき、収益性は優れる(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 低コストな採卵鶏飼料として、県内飼料メーカーによる生産を推奨するための資料として活用できる。

  2. トウフ粕を10%配合した飼料全てにおいて、市販飼料に比べて体重は有意に軽く推移したことから、寒冷期等の条件下では鶏の体力低下を招く可能性が考えられる。

[具体的データ]

表1 トウフ粕配合飼料における配合割合


図1 25〜64週齢までの破卵率の推移


表2 25〜64週齢までの産卵成績


表3 25〜64週齢までの収益性

[その他]
研究課題名:採卵鶏への蒸気乾燥トウフ粕給与技術
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2003年度


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