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イタリアンライグラスの混播・多回刈利用における飼料成分の含量と収量


[要約]
イタリアンライグラスの「シワスアオバ」と「アキアオバ」の混播・多回刈利用では、同じ出穂期刈でも番草により飼料成分含量が異なる。TDN収量は2番草が高く、4回刈利用で約1,200kg/10aのTDN収量が見込まれる。

[キーワード]
飼料作物、シワスアオバ、アキアオバ、混播、飼料成分

[担当]
福岡農総試・畜産環境部・飼料チーム

[連絡先]電話092-925-5177	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
早晩性の異なるイタリアンライグラスの混播栽培試験結果では、イタリアンライグラスの長期利用には超極早生品種の「シワスアオバ」と晩生品種の「アキアオバ」の混播が適する。そこで、この2品種を用いた混播・多回刈利用における1〜4番草・出穂期・生草及びサイレージの各種飼料成分の含量、消化率、収量等を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 混播・多回刈利用の生草は、1・4番草の粗蛋白質含量が2・3番草より約3〜7ポイント高い。また、1番草の推定TDN含量は2〜4番草より約5〜11ポイント高く、高品質飼料である(表1)。

  2. TDN収量は生草中の含量より乾物収量の影響を大きく受ける。TDN収量は2番草、3番草、1番草、4番草の順に低くなり、4回刈利用では約1,200kg/10aが見込まれる(表1)。

  3. 混播・多回刈利用のサイレージは、1番草は2〜4番草に比べて、総繊維含量は約15〜25ポイント低いのに対し、TDN含量は約4〜6ポイント高く、高品質である(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 周年栽培利用や給与飼料設計値として活用できる。

  2. 硝酸態窒素含量値が基準値より高くならないように注意する。また、気象条件等の影響を受けることがあるので、より正確な飼料給与設計を行うためには飼料分析診断を活用する。

[具体的データ]

表1 シワスアオバとアキアオバの混播栽培における1〜4番草・出穂期・生草の各種飼料成分含量と収量


表2 シワスアオバとアキアオバの混播栽培における1〜4番草・出穂期・サイレージの各種飼料成分含量と消化率

[その他]
研究課題名:平場の転作水田の利活用による自給飼料の周年利用作付体系技術の確立
予算区分 :助成試験(先端技術)
研究期間 :1999〜2002年度


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