Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成15年度目次

長崎県に適した飼料イネ専用品種「ホシアオバ」および「クサノホシ」


[要約]
「ホシアオバ」および「クサノホシ」は倒伏がみられず、乾田直播栽培および移植栽培において乾物収量が他品種よりも高い。黄熟期でサイレージ調製したTDN含量は2品種平均で54.9%であり、黄熟期における子実型ソルガムサイレージの飼料成分に劣る。

[キーワード]
飼料イネ専用品種、乾物収量、クサノホシ、TDN含量、ホシアオバ

[担当]
長崎畜試・大家畜科

[連絡先]電話0957-68-1135	
[区分]九州沖縄農業・畜産・草地	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
飼料イネは水田転作作物として、県内でも栽培面積が年々増加傾向にある。近年、イモチ病や縞葉枯れ病などの病害抵抗性をもち、食用の品種よりも収量の高い飼料イネ専用品種が相次いで育成されている。そこで、飼料イネ専用の数品種を供試し、乾田直播および移植栽培を実施し、本県に適した品種を選定する。

[成果の内容・特徴]
  1. 移植栽培における乾物収量は、「ホシアオバ」、「クサノホシ」および「スプライス」が「クサホナミ」よりも相対的に高い(表1)。

  2. 「ホシアオバ」および「クサノホシ」には倒伏がみられない(表1)。

  3. 乾田直播栽培では、移植栽培よりも11〜15%乾物収量が低く、「クサホナミ」が他品種よりも低い傾向にある(表1)。

  4. 「ホシアオバ」および「クサノホシ」のTDN含量は、それぞれ55.1%および54.6%であり、平均では54.9%である(表2)。

  5. 黄熟期における子実型ソルガムサイレージに比べて、飼料イネサイレージは粗灰分含有率が高く、粗タンパク質含有率およびTDN含量が低いため、飼料成分は劣る(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 「ホシアオバ」および「クサノホシ」が本県に適した品種であり、そのTDN含量が明らかとなったため、飼料設計に活用できる。

  2. 生育ステージ毎のTDN含量を明らかにする必要がある。

[具体的データ]

表1 黄熟期における収量関連形質(2002年)及び乾物収量(2カ年平均)


表2 飼料イネサイレージおよび黄熟期における子実型ソルガムサイレージ

[その他]
研究課題名:ホールクロップサイレージ用イネの栽培技術および簡易栄養評価推定法の開発
予算区分 :受託(21プロ3系)
研究期間 :2001〜2002年度


目次へ戻る