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ロールベール体系による飼料イネのWCS調製作業


[要約]
小型、中型及び大型ロールベール体系による飼料イネのホールクロップサイレージ(WCS)調製時間はロールの直径が大きくなるほど短縮される。また、専用収穫機では大型ロールベール体系とほぼ同じ調製時間である。

[キーワード]
飼料イネ、ロールベーラ、WCS、調製時間

[担当]
大分県畜産試験場・草地・放牧経営部

[連絡先]電話0974-76-1216	
[区分]九州沖縄農業研究・畜産・草地	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
米の生産調整がますます強化される中、水田の多様な利活用が求められており、新たな飼料作物として飼料イネの作付け面積が増加している。そこで、飼料イネの省力的な収穫調製として、ロールベーラを用いたラップサイレージ調製の作業性を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 小型、中型及び大型のロールベール体系において、ベールの直径が大きくなるほど刈取りから梱包、ラッピングまでの10a当たり実作業時間は短くなる。また、ラッピングについてもベールの直径が大きくなるほど10a当たりのラッピング個数が少ないため、実作業時間は短くなる。(表1

  2. 大型ロールベール体系では、ロールベーラの作業幅が広く(1800mm)、集草を行わずに梱包できるので、作業時間の短縮が図られる。(表1

  3. 専用収穫機では、刈取りから梱包までの10a当たり実作業時間が大型ロールベール体系と比べてコンバイン型では3分程度、フレール型では8分程度短縮される。(表1

  4. 大型ロールベール体系で収穫作業が行える土壌硬度は20mm以上であるが、専用収穫機(クローラタイプ)では、大型作業機が圃場にめり込む2mm程度でも、通常と同じ速度(1.35〜1.50km/h)で作業することができる。(表2

[成果の活用面・留意点]
  1. 飼料イネをロールベーラによりサイレージ調製を行っている畜産農家に対する指導指針として活用する。

  2. 圃場条件や家畜への給与体系などに応じた作業機により効率的な作業を行えるよう留意する。

[具体的データ]

表1 飼料イネの収穫調製作業体系別作業時間


表2 作業機が入れる圃場条件の目安

[その他]
研究課題名:西南暖地における飼料イネの省力・低コスト生産利用技術の確立
予算区分 :国庫(新技術地域実用化)
研究期間 :2000〜2003年度


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