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高水分材料のフレール型ロールベーラ収穫時におけるサイレージ品質改善


[要約]
出穂期の飼料イネやギニアグラスのような高水分材料をフレール型ロールベーラでダイレクト収穫時に乳酸菌・酵素製剤を添加すると、サイレージのpHの低下、乳酸含量の増加が認められ、発酵品質が改善される。

[キーワード]
フレール型ロールベーラ、サイレージ、高水分、乳酸菌、飼料イネ、飼料利用

[担当]
九州沖縄農研・畜産飼料作研究部・飼料生産研究室

[連絡先]電話096-242-7756	
[区分]九州沖縄農業・畜産・草地(草地飼料作)、畜産草地	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
水田転作の飼料作物として飼料イネの利用が注目されている。水田に対応でき、他の飼料作物にも対応可能な自走式フレール型刈り取りロールベーラは貯蔵性の高いサイレージ調製が可能であるが、若刈りなどで高水分の場合は調製条件が劣り、不良発酵が起きやすい。そこで、出穂期の高水分材料をフレール型ロールベーラでダイレクト収穫し、乳酸菌等の添加による発酵品質改善効果を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 出穂期の飼料イネは乾物率が27.5%(水分72.5%)、出穂始期のギニアグラスは乾物率が19.5%(水分80.5%)とロールベールサイレージとしては高水分の材料である(表1)。

  2. このような材料をフレール型ロールベーラでダイレクト収穫すると、乳酸菌・酵素製剤の添加により、サイレージのpHは対照区より低下する傾向を示す(図1)。

  3. サイレージ中の乳酸含量は乳酸菌・酵素製剤の添加により、対照区より高まる傾向を示す(図2)。

  4. 発酵品質を表すV-SCOREは乳酸菌・酵素製剤の添加により、ギニアグラスサイレージの畜草1号+酵素を除き、対照区の「不良」から「可」以上に改善される(図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 高水分の材料草をフレール型ロールベーラでサイレージ調製する際の品質改善技術の参考となる。

  2. 酵素剤添加の必要性は単少糖含量の多寡により判断する。

[具体的データ]

表1 材料草の生育・収量と単少糖含量


図1 乳酸菌・酵素の添加とサイレージのpHの関係


図2 乳酸菌・酵素の添加とサイレージの乳酸含量の関係


図3 乳酸菌・酵素の添加とサイレージのV-SCOREの関係

[その他]
研究課題名:添加物、栽培法等を組み合わせた暖地型飼料作物ロールベールサイレージの品質改善技術の開発
課題ID:07-04-03-*-04-03
予算区分 :交付金
研究期間 :2000〜2003年度


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