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乳用牛における稲発酵粗飼料のTMR給与技術


[要約]
搾乳牛に対し、稲発酵粗飼料を1日当たり原物で15kg、TMRによる混合給与した結果、慣行給与のトウモロコシサイレージと比較しても乳量・乳質に違いはなく、嗜好性においても問題はない。

[キーワード]
飼料イネ、TMR、稲発酵粗飼料、乳量、乳質

[担当]
大分畜試・酪農環境部

[連絡先]電話0974-76-1216	
[区分]九州沖縄農研・畜産草地	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
大分県では、遊休水田が2,400haにも達しており、これらの水田の有効活用を促すため、耐湿性飼料作物等の導入を検討し、畜産向けの自給飼料としての推進を行っているところである。この条件に対応可能な飼料イネの粗飼料としての価値を測定するため、搾乳牛への給与試験を実施、併せて、泌乳性、嗜好性、乳成分等について検討し、稲発酵粗飼料のTMR給与技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 表1に試験方法を示した。稲発酵粗飼料の飼料成分はトウモロコシサイレージと比較してTDNが低い値を示す(表2)。また、表3に給与飼料の一例を、また、表4に給与養分濃度を示した。

  2. 稲発酵粗飼料を原物で15kg(DM5.78kg)を混合給与した場合、慣行区に比較して、養分摂取量において差は有意差がないことから、嗜好性に問題はない。(表5

  3. 稲発酵粗飼料を原物で15kgを混合給与した場合、乳量、FCM乳量は慣行区に比較し、やや少なかったが、有意差はなく、また、乳脂肪率、乳蛋白質率、乳糖率、無脂固形分率については、慣行区との間に有意差はない。(表6

[成果の活用面・留意点]
  1. 本試験は、トウモロコシサイレージの代替えとして、100%の稲発酵粗飼料を給与したが、農家段階ではトウモロコシサイレージと稲発酵粗飼料の混合給与の場合、適切な飼料設計を行ったうえでの給与が必要。

[具体的データ]

表1 試験方法


表2 稲発酵粗飼料及びトウモロコシサイレージの成分及び発酵品質


表3 給与飼料の一例


表4 給与養分濃度単位:%


表5 養分摂取量


表6 乳量・乳質

[その他]
研究課題名:酪農経営技術の確立
予算区分 :一部国庫
研究期間 :2001〜2002年度


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