九州沖縄農業研究センター
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ミカンジュース粕添加飼料による肥育豚の窒素排せつ量低減効果


[要約]
ミカンジュース粕を10%添加した低タンパク飼料を肥育後期(80〜105kg)に給与した豚の発育成績は、標準的なタンパク質飼料を給与した豚と変わらないが、総窒素排せつ量は減り、尿中窒素排せつ割合も少なくなる。

[キーワード]
ブタ、ミカンジュース粕、窒素排せつ量、低タンパク飼料

[担当]
福岡農総試・家畜部・養豚チーム

[連絡先]電話092-925-5232	
[区分]九州沖縄農業・畜産・草地(中小家畜)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]
  1. 低CP飼料にミカンジュース粕を10%配合した飼料を給与すると、標準CP飼料を給与した場合に比べて尿中窒素排せつ量は52%、総窒素排せつ量では36%低減する(表1)。

  2. 肥育後期(80〜105kg)の豚へ低CP飼料にミカンジュース粕を10%添加した飼料(低CP+10%)を給与しても、標準的なCP含量の飼料を給与した豚と比較して発育成績は変わらない(表2)。

  3. ミカンジュース粕を添加給与すると、総窒素排せつ量に対するふん窒素排せつ割合が増え、尿窒素排せつ割合が減る(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 窒素排せつ量低減を目的としてミカンジュース粕を配合飼料用原料として利用する場合の技術資料として活用できる。

  2. ミカンジュース粕を20%添加した飼料を給与すると、増体量が悪くなる。

  3. 尿中窒素排泄量が減ることから、汚水を処理し易くなることが期待できる。

  4. 本試験で使用したミカンジュース粕は、愛媛県の工場から購入(10円/kg)。

[具体的データ]

表1 ミカンジュース粕を給与した肥育豚の飼料摂取量および窒素排泄量(平成14年)


表2 ミカンジュース粕を添加給与した肥育豚の発育成績と飼料費(平成14年)

[その他]
研究課題名:ミカンジュース粕利用による環境負荷物質低減技術
予算区分 :県単
研究期間 :2002年度


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